抗生物質は、細菌による感染症を治療するために、細菌を殺したり増殖を抑えたりする薬の総称です。
歯周病は歯周病菌による感染症の一種であるため、治療の一環として抗生物質が使用されることがあります。
今回は、歯周病と抗生物質に関することをさまざまな角度から解説したいと思います。
歯周病は抗生物質だけで治る?
抗生物質は、歯周病に対抗するための薬の一種です。
しかし、抗生物質だけで歯周病が完治することはありません。
歯石除去などの物理的な清掃が主役であり、薬はあくまで補助的な役割です。
なぜ抗生物質が必要なのか?
歯周病を罹患したことにより、重度の炎症がある場合や、通常の掃除では届かない組織内部の細菌を叩くために抗生物質を使用します。
どのような種類の抗生物質が使用される?
歯周病治療で使用される抗生物質としては、ジスロマック(アジスロマイシン)やサワシリン(アモキシシリン)などが一般的です。
塗り薬と飲み薬、どちらが効果的?
抗生物質には、塗り薬と飲み薬の主に2種類があります。
深い歯周ポケットには局所投与といって塗り薬を使用し、広範囲の炎症には飲み薬を使用します。
市販の抗生物質はある?
歯周病に効果のある抗生物質は、医師の処方箋が必要です。
市販薬は、殺菌剤や抗炎症剤にとどまります。
抗生物質を飲んだらすぐに腫れは引く?
薬の種類によりますが、抗生物質を飲んでから腫れが引くまでには、短くて3日、長くて1週間程度の時間を要します。
症状が消えたら服用をやめても良い?
歯周病の症状が消えたとしても、すぐに抗生物質の服用をやめてはいけません。
途中でやめると、途中でやめると耐性菌という薬が効かなくなる菌をつくるリスクが高まります。
歯周内科治療とはどのようなもの?
歯周内科治療は、位相差顕微鏡で菌を確認し、特定の抗生物質と除菌シロップ等で効率的に除菌する手法です。
抗生物質に副作用はある?
抗生物質の副作用としては下痢や軟便、腹痛や湿疹などが報告されています。
副作用があまりにもひどい場合は、服用を中止しなければいけないこともあります。
服用後にお腹が痛くなるのはなぜ?
抗生物質の服用後にお腹が痛くなるのは、抗生物質の効果により、歯周病菌だけでなく腸内の善玉菌も一緒に抑えてしまうからです。
妊娠中や授乳中でも服用できる?
妊娠中や授乳中でも抗生物質が服用できるかどうかは、抗生物質の種類によります。
ペニシリン系などは比較的安全とされていますが、必ず前もって歯科医師に相談してください。
他の薬とあわせて飲んでも大丈夫?
歯周病以外に持病を患っている方などは、常用薬との飲み合わせを確認してもらうために、必ずおくすり手帳を提示しなければいけません。
抗生物質を飲んだ後、飲酒しても大丈夫?
アルコールは薬の代謝を妨げたり副作用を強めたりするため、抗生物質の服用中は可能な限り飲酒を控えてください。
整腸剤と一緒に飲んでも良い?
抗生物質を整腸剤と一緒に飲むことは問題ありません。
むしろ下痢のリスクを軽減できるため、あわせて飲むことが推奨されるケースも多いです。
痛み止めと併用できる?
抗生物質とロキソニンなどの痛み止めは、基本的に歯併用できますが、胃への負担を考慮し服用の際は歯科医師の指示に従ってください。
サプリメントとの飲み合わせは?
抗生物質とサプリメントは、一部飲み合わせが良くないケースがあります。
具体的には、カルシウムや鉄分を含むサプリは、一部の抗生物質の吸収を妨げることがあります。
抗生物質はインプラント周囲炎にも効く?
歯周病と似たような疾患にインプラント周囲炎がありますが、こちらにも抗生物質は有効です。
ただし、天然歯以上に外科的な洗浄が重要になります。
抗生物質が処方されやすい人は?
歯周病を発症している方野中でも、中程度以上や急性の炎症が見られる方に抗生物質は処方されやすいです。
糖尿病の方は感染しやすく治りにくいため、予防的に抗生物質が処方されるケースがあります。
高齢の方が服用する場合の注意点は?
抗生物質は、腎機能や肝機能に合わせて量を調整する必要があるため、高齢の方は既往歴の正確な伝達が不可欠です。
抗生物質の処方に保険は適用される?
歯周病治療に伴って処方される抗生物質については、通常の歯科診療として保険が適用されるため、そこまで高額になることはありません。
定期的に抗生物質を飲み続ければ再発を防げる?
歯周病の再発防止のために、抗生物質を飲み続けるということはありません。
抗生物質の長期服用は、薬が効かなくなってしまう耐性菌のリスクを高めるだけです。
まとめ
歯周病は、症状が出ている方だけでなく、無症状の方でも一生リスクをゼロにすることはできない疾患です。
また歯周病治療に使用する抗生物質は、症状の緩和に効果を発揮しますが、ブラッシングやスケーリングなどのケアも併用しなければいけません。
これはもちろん虫歯にも言えることですが、やはりどのように治療するかではなく、どのように発症を防ぐかが歯周病における大きなポイントになってきます。

