家族や友人の中に、虫歯を発症しているにもかかわらず、一向に治療を受けようとしない方がいて困っているという方もいるかと思います。
このような方は意思が硬く、論理的に説得しなければなかなか治療を受けてくれません。
今回は、虫歯治療を受けない方を説得する方法について解説します。
虫歯治療を受けない人を説得する方法4選
虫歯治療を受けない方、特に家族が身近にいる場合は、以下の方法で説得することが望ましいです。
・経済的にリスクについて説く
・健康への危機感を促す
・恐怖心を取り除く
・生活への影響を強調する
各項目について詳しく説明します。
経済的リスクについて説く
多くの人が受診をためらう最大の理由は“お金がかかる”という不安ですが、実際は今行かないことが将来的に大きな損失を招くという現実を、具体的に伝えるのが効果的です。
虫歯が初期段階であれば、治療は数回で終わり、保険適用なら数千円程度の負担で済みます。
しかし、これを「まだ我慢できるから」と放置して神経まで達すると、根管治療という精密な清掃作業が必要になり、通院回数は激増します。
さらに神経を失った歯は脆くなるため、高価な被せ物が必要になり、自由診療を選択すれば1本10万円を超えることも珍しくありません。
さらに放置が進み、抜歯を余儀なくされた場合、選択肢はインプラント・ブリッジ・入れ歯の主に3つになります。
インプラントであれば1本30万〜50万円、ブリッジであれば両隣の健康な歯を削るという代償が伴います。
また治療が長引けば仕事を休む回数も増え、生産性が落ちるという実害についても触れると、論理的な人にはより響きやすくなります。
健康への危機感を促す
「たかが虫歯」「歯が痛いだけ」と楽観視している人には、口内のトラブルが命に関わる全身疾患の引き金になるという医学的リスクを伝えるべきです。
近年の研究では、口腔内のミュータンス菌や歯周病菌が、虫歯の穴や歯茎の傷口から血管に入り込み、血流に乗って全身を駆け巡ることが分かっています。
これが心臓に到達すれば感染性心内膜炎を引き起こし、血管壁に付着すれば動脈硬化を促進させ、脳梗塞や心筋梗塞のリスクを数倍に跳ね上げます。
また、高齢者の死因として多い誤嚥性肺炎も、口内の細菌が肺に入ることで起こる病気です。
さらに恐ろしいのは、虫歯菌が顎の骨にまで浸透し、顎骨骨髄炎という重い炎症を引き起こすケースです。
こうなると顔が大きく腫れ上がり、最悪の場合は顎の骨を削る手術や長期の入院が必要になります。
「あなたが倒れたら家族が困る」「歯の菌が心臓に回ってからでは遅い」と、“歯の治療は、命を守るための全身管理の一環である”という視点を持たせてあげてください。
大切な人が健康で長生きしてほしいという心からの願いを添えることで、本人の「自分は大丈夫」という根拠のない自信を、現実的な危機感へと変えていくことができます。
恐怖心を取り除く
「歯医者は痛い」「削る音が嫌い」という過去のトラウマから受診を拒否している人には、現代の歯科医療がいかに快適に進化しているかを教え、ハードルを下げてあげましょう。
今の歯科クリニックは、できるだけ“削らない・抜かない・痛くない”をモットーにした治療が主流です。
例えば麻酔の注射自体の痛みを取り除くために、まず歯茎にジェル状の表面麻酔を塗り、感覚を麻痺させます。
その上で、極細の針をコンピュータ制御で一定の速度で注入する電動麻酔器を使用するため、チクッとした痛みすらほとんど感じないよう配慮されています。
さらに、歯科特有のキーンという音が苦手な人のために、音の静かな器具やレーザーで虫歯を除去する治療法を取り入れているところもあります。
極度の恐怖症の人には、鼻から笑気ガスを吸ってリラックス状態を作る笑気吸入鎮静法や、点滴で眠っているような感覚になる静脈内鎮静法という選択肢もあります。
「昔のイメージで止まっているのはもったいない」「今はエステ感覚で通えるくらい綺麗な歯医者さんも多いよ」といった言葉が、背中を押す大きな一手になります。
生活への影響を強調する
他のアプローチとしては、本人の自尊心や、これからの人生の楽しみに訴えかける方法が挙げられます。
虫歯を放置すると、見た目への影響は避けられません。
前歯の欠けや変色は他人に不潔な印象を与えかねず、無意識に口元を隠して笑うようになったり、人前での発言をためらったりするようになります。
これは社会生活において大きな損失です。
また虫歯特有の強烈な口臭は、自分では気づきにくいため、周囲とのコミュニケーションを阻害する要因にもなります。
さらに深刻なのは食への影響です。
片側の歯が痛くて反対側ばかりで噛んでいると、顔の歪みの原因になります
硬いものが噛めなくなると、やわらかい炭水化物中心の食事に偏り、栄養バランスが崩れ体力が低下します。
そのため「あなたが思い切り笑えないのは悲しい」「一緒に美味しいものを食べに行きたい」などと伝え、生活の質を維持し、人生を豊かにするためにも治療が必要と説得しましょう。
まとめ
冒頭でも触れた通り、虫歯治療を受けない方の多くは、「治療を受けた方が良いよ」といった程度の伝え方ではなかなか重い腰を上げようとしません。
そのため、虫歯の放置にどれだけのデメリットがあるのか、もっとも響きそうなポイントを選択して伝えることが大切です。
また家族であれば、いきなり治療を受けるのはハードルが高いと感じる場合、一緒に検診を受けに行くことも検討しましょう。

