歯周病は、虫歯と比べて痛みが少ないため、多くの方に軽視されている傾向にあります。
しかし、実際にはあらゆる全身疾患の根源となるもので、日々適切なケアによって予防しなければいけません。
今回は、お金をかけずに始められる歯周病対策をいくつか紹介したいと思います。
お金をかけずに始められる歯周病対策4選
以下の歯周病対策は、お金をかけずに今すぐにでも始められます。
・スクラッピング法を極める
・30回咀嚼の習慣化
・寝る前のドライブラッシング
・歯茎マッサージ
各項目について詳しく説明します。
スクラッピング法を極める
歯周病予防においてもっとも重要で、かつお金がかからないのがスクラッピング法の習得です。
これは歯ブラシの毛先を歯の面に垂直に当て、消しゴムで文字を消すようなイメージで小刻みに往復させる磨き方です。
まず、歯ブラシの持ち方は鉛筆を持つようなペングリップにします。
これにより余計な力が抜け、毛先が潰れるのを防ぐことができます。
次に、歯と歯茎の境目、あるいは歯の面に毛先を垂直に密着させます。
ここで重要なのが動かす幅です。
5mm~10mm程度の極めて小さい幅で、1ヶ所につき20回以上、振動させるように動かしてください。
大きく動かしてしまうと、歯と歯の間の凹凸に毛先が入らず、汚れが残るばかりか、歯茎を傷つけて退縮させてしまいます。
特に日本人は歯のサイズに対して歯ブラシが大きく感じることが多いため、意識的に細かく動かすことが、隙間のプラークを弾き出す鍵になります。
30回咀嚼の習慣化
私たちの口内には、唾液という天然の殺菌・洗浄剤が常に供給されています。
この素晴らしい機能を最大限に引き出すのが、食事の際に“一口30回以上噛む”というルールです。
現代の食事は加工食品が多く、やわらかいために数回噛んだだけで飲み込めてしまいますが、それでは唾液腺が十分に刺激されません。
よく噛むことで、耳下腺や顎下腺からサラサラとした唾液が大量に分泌されます。
唾液には、強力な歯周病の防御成分が含まれています。
また咀嚼という運動そのものが、歯を支える骨や歯茎に適度な刺激を与え、周囲の血流を改善させる効果もあります。
食事の際、まずは一口入れたら箸を置き、じっくりと噛むことに集中してみてください。
特別なサプリメントや高価な健康食品を買う必要はありません。
寝る前のドライブラッシング
多くの人が“歯磨き粉をつけて磨くこと”を当たり前だと思っていますが、実は歯周病予防において、歯磨き粉の泡立ちや清涼感は磨き残しを招く一因になることがあります。
そこでおすすめしたいのが、何もつけずに磨くドライブラッシングです。
まず夜寝る前のメインの歯磨きでは、何もつけない乾いた状態、あるいは水だけで10分ほど時間をかけて磨きます。
鏡を見ながら、一本一本の歯の形状を確認し、スクラッピング法で丁寧に毛先を当てていきます。
歯磨き粉を使わない最大のメリットは、舌で歯の表面を触った時にザラつきが残っているかどうかが明確に分かることです。
ツルツルになるまで徹底的に磨き上げた後は、仕上げとしてフッ素配合の歯磨き粉を少量つけ、歯全体に行き渡らせるように軽く磨いてください。
睡眠中は唾液が減り、菌がもっとも繁殖する時間帯ですが、この二段構えのケアによって、寝ている間の菌の活動を劇的に抑えることができます。
また歯磨き粉の使用量も減り、かつ磨き残しの精度が上がるため、経済的かつ非常に理にかなった予防法と言えます。
歯茎マッサージ
歯周病は、歯茎の組織が炎症を起こし、血流が悪くなることで進行します。
これを防ぐために、自分の指を使ったセルフマッサージを採り入れましょう。
まず手を石鹸でキレイに洗い、人差し指の腹を使って、歯茎全体を優しくなでるようにマッサージします。
奥歯から前歯に向かって、小さな円を描くように動かしたり、歯茎を軽く押してパッと離したりする動作を繰り返します。
これにより、歯茎の奥で滞っていた血液の循環がスムーズになり、新鮮な酸素と栄養が歯周組織に供給されるようになります。
また血液中には白血球などの免疫細胞が含まれているため、血流が良くなることは、そのまま歯周病菌に対する抵抗力が高まることを意味します。
お風呂に入って湯船に浸かっている時間は、全身の血行が良くなっているため、マッサージを行う絶好のタイミングです。
健康な歯茎は、引き締まって弾力があり、淡いピンク色をしています。
マッサージを習慣にすることで、腫れやすくブヨブヨした歯茎が改善され、菌に負けない強い土台を作ることができます。
道具を一切使わないこの方法は、一生続けられる究極のメンテナンスです。
まとめ
歯周病対策といっても、特別難しいことをする必要はありません。
しっかり知識を身に付けた状態で必要なことをすれば、確実に発症のリスクは軽減されます。
また歯周病対策にはお金もほとんどかからないため、できることをやらないというのはとてももったいないと言えます。
虫歯予防と同じくらい、高い意識を持って予防に臨みましょう。

