虫歯には一つの種類しかないと思っている方もいるかもしれませんが、実際はそうではありません。
虫歯そのものの特性や、発症する場所などによって種類は異なります。
患者さんは、できるだけ多くの虫歯について知っておくことで、早急に対処できる可能性がアップします。
今回は、主な虫歯の種類について解説します。
主な虫歯の種類4選
主な虫歯の種類には、以下のようなものがあります。
・咬合面齲蝕
・隣接面齲蝕
・根面齲蝕
・二次齲蝕
各項目について詳しく説明します。
咬合面齲蝕
咬合面齲蝕は、奥歯の噛み合わせの面にある溝にできる虫歯です。
奥歯の表面には複雑で深い溝が存在していて、この凹凸部分には歯ブラシの毛先が届きにくいため、食べかすやプラークが溜まりやすい環境が作られます。
特に永久歯が生え揃う時期の子どもや若年層において、もっとも発生頻度が高い虫歯の一種です。
初期段階では見た目に大きな変化が見られず、溝の奥深くへ向かって針の穴のように進行していく特徴があります。
そのため、肉眼での発見が遅れることも珍しくありません。
予防には毎日の丁寧なブラッシングに加え、歯科クリニックで奥歯の溝をあらかじめプラスチックで埋めるシーラントという予防処置が非常に有効です。
また、定期健診による早期発見も進行を防ぐ鍵になります。
咬合面は食事のたびに強い圧力がかかる場所であるため、虫歯によって内部が空洞化すると、ある日突然表面が大きく陥没してしまうリスクもあります。
これを防ぐためには、単に歯ブラシを動かすだけでなく、毛先を溝の奥まで入れ込むように意識して磨くことが大切です。
隣接面齲蝕
隣接面齲蝕は、歯と歯が互いに接している側面に発生する虫歯です。
歯間部はどれだけ丁寧にブラッシングをしても歯ブラシの毛先が行き届かないため、非常にプラークが停滞しやすい場所です。
外側から見えにくい位置から始まるため初期段階での自覚症状がほぼなく、自分で鏡を見ても気づくことができません。
虫歯がかなり大きく進行し、歯の内部の象牙質まで溶かされて初めて「冷たいものがしみる」「食べ物が挟まりやすくなる」といった症状で発覚することが多いです。
また重症化すると表面のエナメル質が薄くなり、噛んだ拍子に突然歯が大きく欠けてしまうこともあります。
これを防ぐためには、毎日のケアにデンタルフロスや歯間ブラシを必ず取り入れること、そして歯科クリニックで定期的にレントゲン検査を受けて確認することが必須です。
さらに、隣接面齲蝕は隣り合う2つの歯を同時に破壊していく性質があります。
一つの隙間にプラークが溜まり続けることで、両側の歯の壁面が一度に虫歯に侵されてしまうため、治療の際も2本同時に削らなければならなくなるケースが多々あります。
結果として治療費や治療期間が倍増してしまうため、デンタルフロスを通したときに引っかかりを感じたら、すぐに歯科クリニックで精密な診察を受けることが重要です。
根面齲蝕
根面齲蝕は、歯の頭の部分ではなく、本来は歯茎に隠れているはずの歯の根元にできる虫歯です。
加齢や歯周病の進行、あるいは不適切な強いブラッシングによって歯茎が下がると、歯の根元が露出してしまいます。
歯の頭の部分は硬いエナメル質で覆われていますが、根元の部分は酸に弱いセメント質や象牙質でできています。
そのため、露出した根元にプラークが付着すると非常に速いスピードで虫歯が進行します。
また歯の神経までの距離が近いため、比較的小さな虫歯であってもすぐに神経まで達して強い痛みが出やすいのが特徴です。
中高年層から高齢者にかけて急増する傾向があり、根元がぐるりと一周するように溶けてしまうと、歯の頭が丸ごと折れてしまうリスクもあります。
さらに根面齲蝕は一度発生すると修復が非常に難しく、詰め物をしても境目から再発しやすい厄介な病気です。
予防のためには、歯茎を傷つけないようなやわらかい毛の歯ブラシを選び、軽い力で優しく磨くことが求められます。
二次齲蝕
二次齲蝕(二次カリエス)は、過去に歯科クリニックで虫歯治療を行い、詰め物や被せ物をした場所に再び発生する虫歯です。
大人の虫歯治療において、非常に高い割合を占める厄介な種類です。
治療から年月が経つと、詰め物を固定している接着剤が唾液で徐々に溶け出したり、素材自体が劣化したりして、歯と人工物の間に目に見えないわずかな隙間が生じます。
その隙間から虫歯菌が侵入し、人工物の下で虫歯が再発します。
外側が金属やセラミックで覆われているため肉眼では発見できず、内部で広範囲に進行してから詰め物が外れたり、激痛が起きたりして気づくケースがほとんどです。
そのため、定期的な歯科検診でのチェックと、劣化が疑われる場合は早めに再治療を行うことが重要です。
また二次齲蝕を繰り返すと、そのたびに健康な歯の組織をさらに深く削り落とすことになるため、最終的には歯の神経を抜かざるを得なくなったり、抜歯したりすることになります。
再発を極力防ぐためには、最初の治療時に精度の高いセラミック治療を選択し、歯と人工物の隙間を最小限に抑えることも有効な手段の一つです。
その他、治療後もその部位を意識して入念にケアし続ける高い予防意識が不可欠です。
まとめ
虫歯は上記以外にも、急性齲蝕や慢性齲蝕など、さまざまな種類があります。
どの種類にも言えることは、発症したら放置してはいけないこと、そして普段から定期検診に通い、早期発見を目指すことです。
虫歯は痛みだけでなく、日常生活に支障をきたすさまざまな症状を引き起こすため、日頃からセルフケアやプロケアを欠かしてはいけません。

