子どもはおやつが大好きです。
親御さんは、そんな子どものためにたくさんお菓子をあげたいと思うかもしれませんが、虫歯を予防するのであれば、与える内容について考慮しなければいけません。
今回は、子どもが虫歯になりやすいおやつ、なりにくいおやつに関することを中心に解説します。
おやつが虫歯につながる仕組み
歯が虫歯になるのは、虫歯菌が酸によって歯を溶かしてしまうからです。
そうならないよう、歯磨きで口の中を清潔にしますが、口内の虫歯菌をゼロにするのは不可能であり、虫歯菌は常に口内に存在します。
また、虫歯菌が多くの酸を出すのはエネルギーを摂取したときであり、そのエネルギーとなるのが糖です。
一般的に、子どものおやつとして食べられるものには、こちらの糖を多く含んだものが多く、こちらの摂取量が増えることで、必然的に虫歯のリスクは高まります。
さらに、おやつは間食として食べられるものであり、間食が増えると歯が溶かされる脱灰の頻度が増え、溶かされた歯を修復する再石灰化が減ってしまいます。
こちらも、おやつが虫歯につながりやすい原因の一つです。
子どもが虫歯になりやすいおやつの特徴
子どもが虫歯を発症しやすいおやつには、以下のような特徴があります。
・粘着性があるもの
・水分を吸うと粘着性が高くなるもの
・プラークや酸をつくる力が強いもの
粘着性があるもの
粘着性があるおやつは、歯にくっつきやすく、磨き残しが多くなります。
このとき、磨き残した食べカスについては、いずれプラークになり、酸を発生させて歯を溶かします。
また、粘着性があるおやつは、口内に滞在する時間が長く、こちらも虫歯につながりやすくなります。
具体的には、キャラメルやヌガー、グミや飴、チューイングキャンディといったお菓子が該当します。
水分を吸うと粘着性が高くなるもの
先ほど、粘着性があるおやつは虫歯のリスクが高いという話をしましたが、食べる前はそうでなくても、口内に入ることで粘着性を高めてしまうものがあります。
例えば、ウエハースやビスケット、カステラやプレッツェルなどのお菓子は、水分を含むと粘着性が高くなり、歯にも詰まりやすいため、虫歯になりやすいおやつだと言えます。
プラークや酸をつくる力が強いもの
糖分が多く、なおかつプラークや酸をつくる力が強いおやつも、子どもの虫歯につながりやすいです。
例えば、チョコレートやクッキーなどが該当します。
子どもが虫歯になりにくいおやつの特徴
一方、子どもが虫歯を発症しにくい、つまり虫歯菌の活動を抑えやすいおやつには、主に以下のような特徴があります。
・口内に含む時間が少ない
・砂糖を含んでいない
・歯に付着しにくい
口内に含む時間が少ない
口内に含む時間が少なく、なおかつプラークや酸をつくる力が弱い食べ物は、子どものおやつとして適しています。
例えば、季節の果物や野菜、ヨーグルトやチーズといったものは、とても虫歯リスクが低いです。
砂糖を含んでいない
砂糖を一切含んでいないもので、なおかつ口に含む時間が短いおやつも、虫歯にはなりにくいです。
具体的には、砂糖不使用の煎餅やクラッカー、ポテトチップスなどが該当します。
歯に付着しにくい
糖分を多く含むものであっても、ほとんど歯に付着せず、うがい程度でも糖分を流すことができるおやつは、虫歯のリスクが低いです。
意外だと思われる方も多いかと思いますが、ゼリーやプリン、アイスクリームなどのおやつは、口内に残りやすいおやつに比べると、虫歯の発症を抑えやすくなります。
また、歯に付着しにくく、さらには良く噛むことで唾液が出やすいスルメなどのおやつも、虫歯予防には向いています。
子どもにおやつをあげる際の注意点
子どもにおやつを与える際、親御さんはまずダラダラ食べの習慣をつけないように注意しましょう。
長時間ダラダラと何かを口にしていると、口内が虫歯になりやすい酸性に傾きます。
また、おやつを与える際には、一緒に出す飲み物にも気を付けてください。
炭酸飲料やジュース、イオン飲料(スポーツドリンクなど)には、砂糖がたっぷり入っているため、虫歯予防の観点からはおすすめできません。
逆に、水やお茶、牛乳などであれば、虫歯のリスクはある程度軽減されます。
そして、もっとも忘れてはいけないのが、おやつの後の歯磨きです。
歯磨きは、3度の食事の後に行うものと考えている方も多いかと思いますが、おやつの後も歯磨きをする習慣をつけなければいけません。
もし、おやつの直後に歯磨きができない状況なのであれば、水でうがいをさせたり、水やお茶を飲ませて、口内を洗い流したりして対応します。
まとめ
ここまで、子どもが虫歯になりやすいおやつ、なりにくいおやつを中心に解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
虫歯のリスクが高いおやつは、毎日のように頻繁に与えるべきではありません。
もちろん、一切食べ与えてはいけないというわけではありませんが、おやつの後にはできる限り丁寧に歯磨きをし、歯の再石灰化を促す必要があります。