お酒を飲むことにより、日々の疲れを癒しているという方は多いかと思います。
しかし、アルコールの摂取は、歯周病の発症につながることがあるため、注意が必要です。
ここからは、アルコールが歯周病のリスクを高める理由や、そのリスクを軽減する方法について解説したいと思います。
アルコールが歯周病のリスクを高める理由4選
アルコールの摂取が歯周病のリスクを高めたり、症状を悪化させたりする理由としては、主に以下のことが挙げられます。
・ブラッシングがおろそかになりやすい
・二次的な歯周病の悪化につながる
・血流が良くなる
・唾液が減少する
ブラッシングがおろそかになりやすい
アルコールを摂取すると、人は楽しい気分になったり、疲労が軽減されたりすることがあります。
こちらは、ストレスを抱えている方にとってはプラスの効果だと言えますが、飲酒量が多くなると、ついついブラッシングが面倒になってしまいがちです。
飲酒後にブラッシングをせず、そのまま就寝してしまうと、口内の唾液量は著しく減少し、細菌の活動が活発になることから、歯周病のリスクは上昇します。
また、飲酒時にはおつまみを一緒に食べるケースも多いですが、ブラッシングをしていない場合、こちらの食べカスやプラークも口内に残ったままになり、歯周病や虫歯のリスクはさらに高くなります。
二次的な歯周病の悪化につながる
お酒は基本的に、pHが低い飲み物です。
pHとは、酸性、アルカリ性の度合いを表す数値であり、数字が小さくなるほど酸性度が高くなります。
つまり、お酒は基本的に酸性度が高いということです。
また、酸性度が高いお酒の習慣的な飲酒は、歯が溶ける虫歯になるリスクがあり、虫歯が原因で歯に穴が開くと、プラークが停滞しやすく除去しにくい場所になるため、二次的な歯周病の悪化にもつながります。
その他、飲酒による糖尿病や肥満なども、歯周病を悪化させる可能性があります。
血流が良くなる
アルコールを摂取すると、血流が良くなって身体中に血が巡ります。
このとき、当然歯茎の血流も良くなりますが、歯肉炎や歯周炎などの症状がすでにある方は、血流が良くなるにつれて神経を刺激し、激しい痛みが出ることがあります。
また、こちらの炎症は放置していてもなかなか治らず、症状が進行すれば歯を失うことも考えられます。
唾液が減少する
アルコールを摂取した後は、身体中からアルコールを排出するために、尿や汗を多く出そうとする利尿作用が働きます。
そのため、日常的にアルコールをよく飲む方は、起きている状態であっても、体内の水分が足りていないことが多く、唾液の分泌量も減少します。
また、唾液には歯周病菌をはじめとする口内の細菌を洗い流したり、ある程度殺菌したりする作用もあります。
つまり、唾液の分泌量が減ることで、このような作用が弱まり、歯周病菌などが口内にとどまりやすくなり、歯周病のリスクを高めるということです。
アルコールによる歯周病のリスクを軽減する方法
アルコールによる歯周病のリスクを少しでも軽減させるためには、以下のようなポイントを押さえる必要があります。
・飲酒後のブラッシングを欠かさない
・飲酒中に水を飲む
・pH値が高いお酒を選ぶ
飲酒後のブラッシングを欠かさない
前述の通り、アルコールを摂取した後はついついブラッシングをしないまま寝落ちしてしまうケースも多いですが、こちらは欠かさずに行ってください。
ポイントとしては、まだハッキリと意識がある状態で飲酒をやめ、早めにブラッシングを済ませておくことです。
飲酒中に水を飲む
アルコールには利尿作用があるため、摂取し続けると身体の水分は不足します。
これにより、口内が乾燥することで、唾液の自浄作用が減少し、虫歯や歯周病につながるため、お酒を飲むときは、常に水を用意しておきましょう。
こちらを適宜摂取することで、唾液量の減少や歯周病のリスクはある程度軽減されます。
ただし、水を飲むと利尿作用はさらに促進されるため、その分またしっかりと水を摂取しなければいけません。
pH値が高いお酒を選ぶ
お酒は基本的にどれもpH値が低く、口内が酸性に傾きやすくなりますが、中でも特に注意したいのは、ワインやチューハイ、梅酒などのお酒です。
これらは以下のように、特にpH値が低いため、歯周病のリスクを高めます。
・白ワイン:2.3~3.4
・赤ワイン:2.6~3.8
・チューハイ:2.5~2.9
・梅酒:2.9~3.1
逆に、麦焼酎やウイスキーといったお酒は、上記のものに比べたらpH値が高いため、そこまで歯周病のリスクは高くありません。
具体的には、以下のような数値です。
・麦焼酎:6.3
・ウイスキー:4.9~5.0
まとめ
ここまで、アルコールが歯周病のリスクを高める理由は、そのリスクを軽減する方法について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
適量を摂取し、飲酒後の口内ケアもしっかりできているのであれば、そこまで問題はありません。
一方、毎日大量のアルコールを摂取し、ブラッシングなどのケアもおざなりになっている場合は、一度生活習慣を改めなければいけません。