子を持つ親御さんは、歯磨きの仕方が未熟な子どもに代わり、仕上げ磨きを行ったり、正しい磨き方を教えたりといったサポートを行います。
また、歯並びや噛み合わせに問題がある場合には、矯正治療を受けさせることも検討するかと思います。
ここからは、小児矯正における主なメリット・デメリットについて解説します。
小児矯正のメリット
歯科クリニックで小児矯正を受けることの主なメリットは以下の通りです。
・顎の成長をコントロールできる
・虫歯や歯周病のリスクが減る
・早めの対処で治療期間が短く済む
・永久歯の抜歯を避けやすくなる
・適応しやすい
・口腔機能を正常に保てる
顎の成長をコントロールできる
出っ歯や受け口などの不正咬合は、上顎と下顎の位置や成長のバランスが崩れていることによって生じているケースが多いです。
このような子どもの場合、小児矯正によって顎の成長をコントロールすることにより、上顎と下顎の位置やバランスといった骨格的なズレを改善できます。
虫歯や歯周病のリスクが減る
小児矯正によって歯の凸凹を改善することで、歯磨きがしやすくなります。
歯磨きがしやすくなることで磨き残しも減り、虫歯や歯周病のリスクは下がります。
また、噛み合わせが良くなることで、歯に無理な負担をかけることも少なくなり、将来的に多くの歯を残すことにもつながります。
早めの対処で治療期間が短く済む
3~10歳に行う第一期治療から小児矯正をスタートさせれば、第二期治療から矯正を開始する場合と比べて、治療期間を短縮することができます。
永久歯が生えるスペースを確保しながら、顎の成長もコントロールできるため、第二期治療では治療が早く終わることがあるほか、第二期治療そのものが不要になる場合もあります。
永久歯の抜歯を避けやすくなる
子どもの歯並びが悪く、永久歯が生えるスペースが足りない場合、奥歯を後ろに移動させたり、顎の横や前への成長を促したりすることにより、スペースができます。
また、このような早期治療により、将来的に永久歯を抜歯させず、ワイヤーによって矯正ができる可能性が高くなります。
適応しやすい
個人差はありますが、子どもは大人に比べて適応能力が高いため、矯正装置の装着にも早く慣れることができます。
そのため、最初は嫌がるケースも多いですが、徐々に違和感はなくなります。
また、治療後の噛み合わせに対し、歯や歯茎、筋肉などが適応する能力も高いです。
口腔機能を正常に保てる
歯並びの乱れは、見た目の問題だけでなく、噛む、話す、飲み込むなど、さまざまな口腔機能に悪影響を及ぼします。
そのため、小児矯正を受けることで、歯並びだけでなく、咀嚼機能や発音機能、嚥下機能を正常に保つことができます。
また、正しい食べ方や飲み込み方、しゃべり方を身に付けておくことは、子どもの全身の発育にまで良い影響を与えます。
小児矯正のデメリット
小児矯正は、子どもの日常生活や将来にとって、非常にメリットの大きいものですが、以下のようなデメリットがあることも把握しておきましょう。
・一時的に見た目が悪くなる
・再治療が必要になることがある
・治療の結果に差が生じる
・矯正中は虫歯になりやすい
一時的に見た目が悪くなる
矯正装置の種類によっては、器具が見えたり、治療の途中経過で一時的に歯並びが悪くなったりすることがあります。
このような状況は、子どもにとって苦痛になることも考えられます。
特に、学校などで同級生にからかわれるといったケースは多いため、親御さんはその点も加味して矯正装置を選択しなければいけません。
再治療が必要になることがある
子どもの背丈が何cmまで成長するのか予想するのが難しいように、顎の成長も予想するのが難しいです。
そのため、予想以上に顎が成長したり、逆に顎の成長が止まってしまったりした場合には、再治療または成人後の外科矯正が必要になることがあります。
治療の結果に差が生じる
小児矯正では、子どもが自身で取り外しのできる矯正装置を使用する場合があります。
歯科クリニックで指示された装着時間を守れなかった場合、効果を十分に発揮できず、治療の期間も長引いてしまいます。
そのため、毎日決められた時間装着できるように、親御さんのサポートは重要になります。
矯正中は虫歯になりやすい
小児矯正を行うことで、歯の凸凹が改善されると、歯ブラシが隅々まで届きやすくなるため、虫歯のリスクは軽減します。
しかし、例えば口内に固定されるタイプの矯正装置の場合、矯正中はきちんと歯を磨くのが難しくなり、その期間虫歯のリスクも高まってしまいます。
まとめ
ここまで、小児矯正におけるメリット・デメリットについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
小児矯正についてあれこれ考えるのは親御さんですが、最終的に治療を受けるのは子ども自身です。
そのため、親御さんは子どもの立場になり、小児矯正のどのような点が苦しいのか、どうすれば子どもの負担を軽減できるのかといったことも考えなければいけません。