【広島の歯医者】子どもの叢生における問題点と治療法について

子どもの歯並びと、上下の歯の噛み合わせに異常があることを不正咬合といいますが、こちらにはさまざまな種類があります。

中でも特に多いのが叢生で、こちらは矯正しなければさまざまな問題を引き起こします。

今回は、子どもの叢生における概要と問題点、治療法について解説します。

目次

叢生の概要

叢生(そうせい)とは、隣り合う歯同士が隙間なく並んでいて、でこぼこ、ガタガタしている状態のことをいいます。

子どもの歯のトラブルの中ではもっとも多く、全体の約8割を占めています(乳幼児期では1割未満)。

また、叢生の主な原因の一つは、遺伝によるものです。

遺伝により、生まれつき歯のサイズが大きかったり、顎が狭かったりすることで起こります。

その他、乳幼児期に舌をしっかり動かせていないことや、正しい食べ方をしていないこと、鼻炎などのアレルギーで口呼吸が癖になっていることなども、顎が発達せず、叢生になる原因とされています。

子どもの叢生における問題点

子どもの歯に叢生が見られる場合、以下のような問題を引き起こします。

・虫歯や歯周病になりやすい
・歯を失いやすい
・顎関節症のリスクが高まる
・咀嚼の効率が悪い
・コンプレックスを抱きやすい
・精神的ストレスにつながる

虫歯や歯周病になりやすい

叢生により、歯が重なり合ったり、きれいに並んでいなかったりすると、歯ブラシが歯の間や裏側などまでしっかり行き届きません。

歯間ブラシやデンタルフロスなどが通りにくい場所もあり、食べカスやプラークが歯に残りやすく、虫歯や歯周病の原因となります。

また、食べカスやプラークをそのままにしておくと、口臭の原因にもなります。

歯を失いやすい

前述の通り、子どもの叢生では、歯が重なり合って生えているため、歯みがきがしにくく、虫歯や歯周病を引き起こしやすくなります。

また、でこぼこと生えているため、歯を支える骨や歯肉が薄い部分があり、万一歯周病になった場合には歯を失うリスクも高くなります。

顎関節症のリスクが高まる

叢生により、噛み合わせが悪くなると、噛むときに顎の関節に負担がかかります。

そのため、叢生の子どもは、必然的に顎関節症を引き起こす可能性が高くなります。

また、不自然に力が入って咀嚼するため、首や顎周辺の筋肉がこわばり、血流が悪くなります。

こちらが、慢性的な頭痛や肩こりにつながる可能性もゼロではありません。

咀嚼の効率が悪い

歯並びがでこぼこの状態では、上下の歯が噛み合わず、咀嚼効率が悪くなることがあります。

「子どもが食べるスピードが遅い」と悩んでいる親御さんにとって、実は叢生が原因だったというケースも珍しくありません。

さらに、しっかり咀嚼をせずに食べ物を飲み込んでしまい、消化が悪くなり、内臓に負担をかけることもあります。

コンプレックスを抱きやすい

叢生の子どもの中には、歯列を見せるような笑い方が人前でできないというケースも存在します。

笑顔を交えて人と会話することは、コミュニケーションを円滑にする大切な要素となるので、笑顔に自信を持てないと損をしてしまっているかもしれません。

また、叢生の場合、審美的な問題とは別に、発音しづらい言葉があることも考えられます。

このことから、滑舌が悪いことを気にするあまり、人との会話に苦手意識を抱えてしまう子どももいます。

精神的ストレスにつながる

叢生の場合、人前で歯列を見せるのが恥ずかしくなったり、うまく発音ができなくなったりする可能性があります。

また、どれだけキレイにブラッシングを行っていても、歯並びが整っていないというだけで、清潔感がないように見られてしまう場合もあります。

このように人の目が気になり始めると、子どもの精神的なストレスは増えてしまいます。

子どもの叢生における治療法について

子どもの成長期、主に6歳〜11歳までの乳歯と永久歯が混合した時期にする矯正治療のことを、小児矯正またはⅠ期治療と呼びます。

こちらの時期は、歯の土台でもある顎がまだ成長中であるため、歯列を広げる拡大床だけでなく、叢生の場合、急速拡大装置と呼ばれる器具によって顎を広げ、歯が並ぶスペースを確保することができます。

また、顎が成長中であることから、顎の成長を抑制、または促進して出っ歯や受け口の悪化を予防するアプローチも可能です。

このように、子どものうちに矯正治療を行うことで、重度の歯列不正を予防したり、抜歯を伴う矯正治療を避けられたりする可能性が高まります。

ちなみに、大人になってから叢生を治療する場合、歯の移動に関わる骨代謝の問題などから、治療に要する時間が長くなったり、抜歯をしなければいけなかったりするケースが多いです。

まとめ

ここまで、子どもの不正咬合の一つ、叢生における問題点や治療法について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

こちらは叢生だけに言えることではありませんが、子どもの不正咬合は、基本的に子どものうちに治療した方が完治しやすいです。

また、治療費も抑えやすくなるため、早めの治療や子ども本人にとっても、親御さんにとってもメリットがあると言えます。

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