子どもの歯並びは、口周りに関連するさまざまな癖によって悪化します。
具体的には、歯に負荷がかかることにより、出っ歯や開咬、受け口などのリスクが高まるため、これらは小学生頃までにはやめさせなければいけません。
ここからは、子どもの歯並びを悪化させる癖を治す方法について解説します。
指しゃぶりをやめさせる方法
指しゃぶりは、文字通り指をしゃぶったり吸ったりする行為であり、一般的には生後2~4ヶ月頃から始まります。
3歳頃までの指しゃぶりであれば、特に子どもの歯並びに影響することはありませんが、こちらの年齢を過ぎてもまだやめられない場合、歯並びや噛み合わせへの悪影響が心配されるため、なるべく早くやめさせる必要があります。
指しゃぶりをやめさせる方法としては、新しいおもちゃで気を逸らしたり、おやつやご飯を与えたりすることで、指しゃぶり以外の楽しみを与えてあげる方法が有効です。
また、子どもが指しゃぶりをする場合、寂しい気持ちなどの精神的な理由が考えられるため、親御さんはたくさんスキンシップを取ってあげましょう。
子どもの気持ちを無視して無理やりやめさせようとすると、他のものへの執着心が生まれたり、髪の毛を抜いたりといった問題行動につながる可能性があるため、こちらは避けなければいけません。
爪噛みをやめさせる方法
爪噛みは、乳幼児以降の活発で落ち着きのない子どもによく見られる癖です。
心理的な不安や緊張状態にある場合に見られることが多く、中には爪の白い部分が見えなくなるほど噛む子どもや、足の爪まで噛む子どももいます。
こちらも、歯並びの悪化につながるため、早めにやめさせなければいけません。
具体的には、まず子どもが爪を噛むタイミングを把握し、心理状態を理解した上で、爪を短く切ったり、爪噛みや指しゃぶり防止用につくられた、苦味のあるマニキュアを塗ったりする方法がおすすめです。
下唇を噛む癖をやめさせる方法
子どもの中には、下唇を噛む癖がある子もいます。
こちらは、精神的なストレスがあるケースや、特に理由もなく、ついやってしまうというケースがよく見られます。
こちらの癖は、下唇やその下の皮膚が赤くなったり、癖が長く続けば、上の前歯が出っ歯になったりするおそれがあります。
下唇を噛む癖をやめさせるには、とにかく子どもと会話をすることが有効です。
下唇を噛む仕草は、話している間にはできないことです。
また、食事をしているときも、下唇を噛むことはできないため、親御さんは少し噛むのに時間がかかるような、甘くないお菓子を与えることも考えましょう。
何でも口に入れる癖をやめさせる方法
特に幼児に見られるケースが多いですが、子どもは身の回りにあるものを何でも口に入れてしまう癖があります。
幼児は、まだ感覚などがすべては発達していません。
そのため、周りにあるものが何なのかを確かめるために、口の中に入れます。
このとき、口に入れた感覚が気に入ってしまうと、同じものを何度も口に入れることがあります。
また、こちらの癖は3~5歳頃には自然になくなりますが、なかなか癖が抜けないという場合には、すぐにやめさせなければいけません。
ずっと継続している場合、硬いものを噛んで歯に負荷がかかったり、歯並びが悪化したりするリスクがあります。
例えば、口に入れると危ないものは片付けたり、口に入れようとしたときに気を逸らしたりすることで、ある程度こちらの癖は治っていきます。
舌癖をやめさせる方法
子どもの舌癖とは、舌で歯を押したり触ったり、歯と歯の間に下を押し付けたりする癖のことをいいます。
ほとんどが無意識に行われるもので、食べ物を飲み込むたびに舌癖が見られる子どもいます。
こちらは、一見何でもないような癖ですが、出っ歯や受け口など、歯並びが悪化する原因になります。
また、口が開いたままの“お口ポカン”の原因にもなり、こちらは虫歯や口臭のリスク上昇につながります。
舌癖をやめさせるには、親御さんが良くない癖であることを子どもに伝え、正しい舌の位置を教えることが望ましいです。
舌先は上の前歯の裏側にあり、下全体が上顎にくっついた状態が正常であるため、まずはそこに舌を持っていけるように意識づけましょう。
その他、舌のトレーニングを採り入れるのも効果的です。
舌のトレーニングには、口を大きく開けて、舌先で唇をなぞる方法や、舌を上顎につけたまま吸い上げ、ポンという音を鳴らすトレーニングなどがあります。
これらのトレーニングについては、子どものモチベーションを上げるために、親御さんも一緒に行うようにしてください。
まとめ
ここまで、子どもの歯並びを悪化させる癖の治し方について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
すべての癖に共通して言えるのは、歯並びや骨格などに悪影響を与え得ること、そして無理やりやめさせてはいけないことです。
子どもには子どもなりの気持ちや理由があるため、あくまでも良くない癖であることを優しく伝えた上で、適切な対処法を実践しましょう。