インビザラインは矯正装置が透明で目立ちにくく、なおかつ痛みも少ないことから、非常に人気があります。
取り外しができるため、食事やブラッシングのストレスも少ないです。
では、インビザラインはどのように歯を動かす矯正治療なのでしょうか?
今回は、インビザラインで歯が動く仕組みを中心に解説します。
インビザラインで歯が動く流れについて
インビザラインで歯が動く流れについては、大きく以下の4段階に分けられます。
・初めてマウスピースを装着する
・歯の移動が始まる
・歯が動くのを歯科医師が管理する
・リテーナーで歯の位置を固定する
まずは最初のマウスピースを装着し、マウスピースそのものに慣れるところから始まります。
最初は軽い力で、歯列の歪みを修正していく程度です。
その後、マウスピースを定期的に交換しながら、歯を少しずつ目標の位置に動かしていきます。
インビザライン治療中の通院は2~3ヶ月に1回程度であり、その間は矯正治療が計画通りに進んでいるかどうか、歯科医師がチェックします。
動きにくい歯がある場合は、治療計画を修正します。
最後に、リテーナーという固定用のマウスピースを装着し、最終的な歯の位置を確定させます。
インビザラインで歯が動く仕組みについて
インビザラインでは、スキャナーで歯型や歯並びといった情報を採取し、その口内のデータを分析してオーダーメイドのマウスピースを作製します。
このときつくられるマウスピースは、元の歯と少しずれができるように設計されています。
そのため、マウスピースを装着することにより、こちらのずれの向きに歯へ圧力がかかって歯が動きます。
また、マウスピースは1~2週間程度で新しいものに交換し、1枚で約0.25~0.35mmずつ動かします。
より小さな力で少しずつ歯が動くため、ワイヤー矯正と比べて矯正中の痛みや不快感が少ないと感じる方が多いです。
ちなみに、マウスピースの交換頻度が短い分、インビザラインでは少しずつ美しい歯並びになっていく過程を見ることができます。
こちらも、固定式の矯正治療ではあまり感じられないメリットだと言えます。
インビザラインで歯を動かすための補助装置
インビザラインでは、マウスピースの他にも歯を動かすための補助装置が使用されます。
具体的には、アタッチメントや顎間ゴム(ゴムかけ)といった装置です。
アタッチメントは、小さな樹脂製の器具であり、歯並びの微調整や治療をスピーディーに進める目的で使用されることが多いです。
マウスピースが歯に固定されることを助け、歯の向きや角度の微調整を可能にします。
治療完了後は跡を残さずに取り外されるため、見た目の心配もありません。
ただし、すべての症例でアタッチメントが使用されるわけではなく、必要に応じて歯科医師が使用を指示します。
また顎間ゴムはゴムかけとも呼ばれるもので、自身の歯やマウスピースにゴムをかけ、噛み合わせを整えるためのものです。
フック型の装置に、医療用ゴムを引っかけて使用します。
歯並びの見た目が改善されてから行われることが多く、機能面の改善を目的に、最終仕上げとして用いられます。
ちなみに、ゴムかけはゴムが縮もうとする引き戻しの力により、歯を早く動かしてくれる効果もあります。
顎間ゴムを付ければ、マウスピースの効果におよそ100gの力がプラスされます。
リテーナーの役割について
インビザラインによる矯正治療が終わった後は、その歯並びを安定させ、動かないようにするリテーナーを装着します。
インビザラインに限った話ではなく、矯正治療後は動いた歯が安定していません。
つまり歯が動きやすい状態になっているため、そのままにしていると歯が元の位置に戻ってしまうということです。
リテーナーを装着すれば、このような後戻りが起こらず、矯正治療後の歯並びを確定することができます。
リテーナーの主な種類について
インビザライン治療後に使用されるリテーナーには、主に以下の3つの種類があります。
・マウスピースタイプ
・プレートタイプ
・フィックスタイプ
マウスピースタイプは、インビザライン矯正中に使用するものと同じように、透明で目立ちにくいマウスピースを装着するものです。
またプレートタイプは、歯の表側をワイヤーで押さえ、裏側はプラスチックで支えるタイプのリテーナーです。
耐久性が良く、半永久的に使用できますが、ワイヤーが少し目立ちます。
そしてフィックスタイプは、主に下の3本目までの歯の裏側に、細いワイヤーを接着するタイプのリテーナーです。
歯の裏側につけるため目立ちにくいですが、前述した2つのリテーナーと違い、着脱ができません。
まとめ
インビザラインは、何度もマウスピースを交換し、少しずつ歯を動かしていく矯正方法です。
そのため、わずかな痛みで理想の歯並びを手に入れることができます。
またアタッチメントや顎間ゴムなど、歯を動かすための補助装置も充実しているため、なかなか効果を実感できないというケースは少ないです。
ただし、マウスピースの装着時間や交換のタイミングなど、治療のルールはきっちり守らなければいけません。