インビザラインは、世界でもっとも普及しているマウスピース型矯正の一つで、これまでに全世界で1,000万人以上がインビザラインで矯正治療を行っています。
また、インビザラインには、実はいくつかの種類があります。
今回は、インビザラインの種類とそれぞれの特徴を解説します。
インビザラインの種類とそれぞれの特徴
インビザラインには、主に以下の種類があります。
・インビザラインコンプリヘンシブ
・インビザラインライト
・インビザラインファースト
・インビザラインエクスプレス
・インビザラインGO
それぞれの特徴について詳しく説明します。
インビザラインコンプリヘンシブ
インビザラインコンプリヘンシブは、いわゆるインビザラインにおけるもっともポピュラーなタイプです。
以前はインビザラインフルと呼ばれていました。
コンプリヘンシブには“包括的・広範囲”という意味があり、こちらはさまざまな症例に対応できるインビザラインとして、最初に提案されるケースが多いです。
またインビザラインコンプリヘンシブには、治療計画を細かく調整できるというメリットがあります。
総合的な治療ができるため、当初の計画よりさらに歯を動かす必要が出てきても、柔軟に対応できます。
さらにインビザラインコンプリヘンシブには、作製できるマウスピースの枚数に制限がありません。
そのため、極端に歯並びが悪い場合でも、治療費が高額になる心配は無用です。
インビザラインライト
インビザラインライトは、軽度の不正咬合に適用されるインビザラインです。
最大14枚のマウスピースを用いて、歯並びと噛み合わせを整えます。
治療期間は3~5ヶ月と短く、治療開始日から2年以内であれば、追加のマウスピースを2回までオーダーできます。
通常、インビザラインは全体矯正の場合、80~100万円程度かかります。
一方、インビザラインライトは45~65万円程度と比較的リーズナブルです。
また、インビザラインライトは、奥歯を含めたすべての歯を動かすことができます。
移動範囲に制限がないため、奥歯を含めた噛み合わせの調整や歯列を広げるなど、幅広い動きが可能です。
インビザラインファースト
インビザラインファーストは、乳歯から永久歯に生え変わる時期の子ども向けのインビザラインです。
子どもの矯正方法には、顎の成長をコントロールする治療と、歯並びを整える治療の2種類があります。
従来の方法では、これらは分けて行われていましたが、インビザラインファーストでは2つの治療を同時に行えます。
つまり、従来の矯正治療よりも矯正期間を大幅に短縮できるということです。
またインビザラインファーストでは、歯並び悪影響を及ぼす指しゃぶりや舌癖についても改善できます。
ちなみに、インビザラインファーストを行うためには、前から数えて6番目の奥歯(第一大臼歯)が萌出していなければいけません。
さらに、乳歯もしくは永久歯の切歯のうち、少なくとも2本が2/3以上生えている必要があります。
インビザラインエクスプレス
インビザラインエクスプレスは、インビザラインの中でももっとも軽度な症例を対象としたものです。
具体的には前歯のちょっとしたずれを治すためのもので、対象となる歯の移動範囲は犬歯から犬歯の間の上下16本に限定されています。
使用するマウスピースの上限は7枚で、再度型取りをし直す追加マウスピースは1回までと決められています。
このように比較的制限の多いインビザラインエクスプレスですが、その代わり費用はもっともリーズナブルです。
インビザラインエクスプレスであれば、20万円前後から治療行うことができます。
そのため、なるべく費用を抑え、少しのがたつきを修正したい方にはピッタリです。
ちなみに、通常の矯正治療は1~3年かかりますが、インビザラインエクスプレスは3~4ヶ月程度ですべて治療が終了します。
インビザラインGO
インビザラインGOは、奥歯の2本を抜いた10本の範囲内で矯正治療を行うタイプのインビザラインです。
インビザラインエクスプレスと似ていますが、最新の技術で治療を受けられるというメリットがあります。
インビザラインGOには、特別な評価システムが用意されています。
こちらは、アライン・テクノロジー社が提供するスマホ専用のアプリです。
口内の写真を撮影し、画像をアップロードするだけで、治療の可否が判明します。
また治療が可能と判断された場合、装置を入れるための型取りが必要になりますが、これも光学スキャナーを歯に当てて、情報を読み取るだけで終わります。
さらに光学スキャナーで読み取られた情報はすぐにコンピューターに送信され、専用のコンピューターソフトを使って治療計画まで立てることができます。
まとめ
インビザラインにはさまざまな種類があり、いずれも独自の魅力を持っています。
もちろん、すべての歯科クリニックですべてのインビザラインを取り扱っているわけではありませんが、治療前にラインナップは確認しておくべきです。
また自身の症例や予算によって、適したインビザラインは変わってくるため、そのあたりはしっかり歯科医師と相談してください。