ハイブリッド矯正は、ワイヤー矯正やマウスピース矯正を単独で使用する場合と比べて、治療期間が短くなっています。
しかし仕上げとなるマウスピース矯正を正しく行わなければ、治療期間が延びたり、効果が得られなかったりする可能性があります。
今回は、ハイブリッド矯正で行うマウスピース矯正の注意点を解説します。
マウスピース矯正の注意点6選
ハイブリッド矯正で行うマウスピース矯正には、主に以下のような注意点があります。
・装着時間を守る
・食事の際は取り外す
・ブラッシングをしてから装着する
・専用のケースで保管する
・激しい運動を避ける
・定期メンテナンスを受ける
各項目について詳しく説明します。
装着時間を守る
マウスピース矯正を行う際は、きちんと装着時間を守らなければいけません。
具体的には、1日20時間以上の装着が必要です。
こちらの装着時間を下回ると、歯並びがうまく調整されない可能性があります。
マウスピースはワイヤー矯正の装置とは違い、いつでも患者さんのタイミングで取り外せます。
しかし食事とブラッシングのとき以外は基本的に装着していないと、マウスピースのつくり直しが必要になり、治療期間が大幅に延びてしまうため、注意してください。
食事の際は取り外す
マウスピース矯正期間中の食事では、その都度マウスピースを取り外さなければいけません。
マウスピースをつけたまま食事をすると、虫歯や歯周病、口臭のリスクが高まるからです。
またマウスピースを装着したまま硬いものを噛むと、破損してしまう場合もあるため、注意が必要です。
ちなみに飲み物については、原則として水のみマウスピースのまま飲むことができます。
その他の飲み物を飲む際には、必ず取り外しましょう。
色の濃い飲み物は、マウスピースの着色汚れの原因になりますし、砂糖が入ったのみものは虫歯を引き起こすリスクを高めます。
さらに酸性の飲み物は、歯の表面のエナメル質が溶け出す酸蝕歯の原因になるため、マウスピースを外した状態で飲まなければいけません。
ブラッシングをしてから装着する
食事を摂るときはマウスピースを取り外さなければいけないという話をしましたが、こちらを装着する際には、先にブラッシングをする必要があります。
食べカスやプラークが残っている状態でマウスピースを装着すると、細菌が繁殖しやすくなるからです。
もちろん、ここでいう食事には朝昼晩の食事だけでなく、間食も含まれます。
そのため日頃から間食を摂る機会の多い方は、ブラッシングがおろそかになるのを防ぐために、間食の回数を減らすようにしましょう。
ちなみに間食を減らせば、マウスピースのメンテナンスが楽になるだけでなく、ダイエット効果も得られます。
専用のケースで保管する
マウスピースを外した後、食後にすぐつけるからとう理由で、テーブルの隅などに置いておくケースがよく見られます。
しかし、短時間取り外す場合であっても、必ず専用のケースで保管するようにしましょう。
テーブルにマウスピースを置いておくと、その上に物が落下したり、床に落としたりして破損する可能性があります。
また飲食店などでは、ティッシュなどに包んで机の上に置いたまま、忘れて帰ってしまうことも考えられます。
このようなトラブルを防ぐためにも、安全なケースの中で保管することが大切です。
激しい運動を避ける
マウスピース矯正期間中であっても、運動自体は行うことが可能です。
しかし激しい運動やコンタクトスポーツを行う場合、マウスピースが割れるリスクや、口内を傷付けるリスクがあります。
特にラグビーやアメリカンフットボールなどフルコンタクトのスポーツは、破損やケガなどのトラブルが起こる可能性が高いです。
そのため、激しい運動はなるべく避け、どうしても行うのであればスポーツ用マウスガードの併用を検討しましょう。
定期メンテナンスを受ける
マウスピース矯正期間中は、歯科クリニックでの定期メンテナンスも怠ってはいけません。
マウスピースは取り外しが可能であるため、通常通りブラッシングができますが、セルフケアだけでは虫歯や歯周病のリスクを大幅に軽減することはできません。
一方歯科クリニックで定期メンテナンスを受ければ、患者さん自身では落としきれない場所の汚れも除去できます。
具体的には歯と歯の間、歯と歯茎の隙間、奥歯の裏側などの汚れをクリーニングで丁寧に落とします。
また定期メンテナンスに通う頻度については、患者さんの口内状況によって変わってきますが、目安は3ヶ月に1回です。
通院日に合わせて、メンテナンスの予約も入れておくとスムーズです。
まとめ
ハイブリッド矯正で行うマウスピース矯正は、取り外しが可能であるため、固定式のワイヤー矯正よりも自由度が高いと思われがちです。
しかし実際は20時間以上装着しなければいけないため、ほぼ固定式の矯正装置だと考えておきましょう。
また保管やメンテナンスなどの注意点も多いため、ワイヤー矯正が完了したからといって、マウスピース矯正で気を抜かないように注意してください。