ワイヤー矯正は、患者さんの歯並びの状態や抜歯の有無などによって異なりますが、一般的には1~3年程度継続して行わなければいけません。
しかし、何らかの理由により、途中でワイヤー矯正をやめてしまうというケースがあります。
今回は、ワイヤー矯正を途中でやめることのデメリットを中心に解説します。
ワイヤー矯正を途中でやめる理由
ワイヤー矯正を途中でやめる理由として多いのは、主に理由です。
・引っ越しをした
・ライフスタイルが変化した
・管理が面倒になった
・痛みに耐えられなくなった など
引っ越しをすると、これまで通っていた歯科クリニックに通うのが困難になることがあります。
ワイヤー矯正中でも、3週間に1回程度は歯科クリニックに通わなければいけないため、それが面倒になって中断してしまうケースは少なくありません。
また結婚や出産、転職などライフスタイルの変化により、通院するのが難しくなり、途中でやめてしまうケースも見られます。
もちろん単純にメンテナンスなどの管理が面倒になったり、矯正装置の痛みに耐えられなくなったりすることでも、ワイヤー矯正を途中でやめてしまうことが考えられます。
ワイヤー矯正を途中でやめるデメリット
せっかく継続していたワイヤー矯正を途中でやめてしまうと、以下のようなデメリットにつながります。
・後戻りが起こる
・以前より歯並びが悪くなる
・費用が無駄になる
・矯正期間が延びる
各デメリットについて詳しく説明します。
後戻りが起こる
ワイヤー矯正を途中でやめると、歯の後戻りが起こります。
後戻りとは、一度ワイヤー矯正によって移動した歯が元の位置に戻ってしまうことをいいます。
本来、ワイヤー矯正後は保定処置といって、一度動いた歯を固定するための期間を設けなければいけません。
しかしその工程を省いて強引に終わらせると、それまでの治療の効果はなかったに等しい状態になります。
以前より歯並びが悪くなる
ワイヤー矯正を途中でやめることにより、治療前よりも歯並びが悪くなってしまう可能性があります。
ワイヤーで歯を動かしている途中で治療をやめるということは、中途半端に歯を動かして治療を終えると言い換えることができます。
このような状態では、隣り合う歯が移動したことにより、元々キレイな歯並びだった歯も少し動いた状態で止まることになります。
そのため、治療前より歯の見た目が悪くなる可能性は十分にあります。
費用が無駄になる
ワイヤー矯正を途中でやめてしまい、そのまま放置していると、当然これまでにかかった治療費も無駄になります。
ワイヤー矯正の費用は、全体矯正の場合でトータル100~170万円程度かかります。
途中で治療をやめてしまい、歯並びが余計悪くなってしまった場合などは、上記の費用のうち数十万円は無駄にすることになります。
もちろん電車などで歯科クリニックに通っていた場合は、交通費も無駄になります。
矯正期間が延びる
ワイヤー矯正を途中でやめてしまうと、後々治療を再開したとしても、トータルの治療期間は長くなります。
また治療期間が当初の予定よりも長くなると、歯科医師による再計画が必要になったり、追加費用が発生したりすることも考えられます。
ワイヤー矯正を途中でやめないようにするには?
ワイヤー矯正を途中でやめないためには、まず通院しやすい歯科クリニックを選ぶことが大切です。
“ワイヤー矯正を途中でやめる理由”でも触れましたが、ワイヤー矯正期間中は3週間に1回程度歯科クリニックに通わなければいけません。
そのため、なるべく自宅や勤務先などから近く、通いやすいところがおすすめです。
また、ワイヤー矯正中に起こり得るリスクについては、事前に把握しておきましょう。
例えば矯正装置による痛みや違和感、歯茎が下がるリスク、金属アレルギーのリスクなどについては知っておくべきです。
これらのリスクを把握していないと、ワイヤー矯正が嫌になったり管理が面倒になったりすることで、治療を中断しやすくなります。
ちなみに、必ず最後までやり遂げたいという方は、ワイヤー矯正だけにこだわる必要はありません。
矯正治療には、ワイヤー矯正の他にもマウスピース矯正やセラミック治療など、さまざまな方法があります。
すべての方法がすべての方に対応しているわけではありませんが、選択肢がある以上は各矯正方法を比較し、自身にもっとも適しているものを選びましょう。
例えばマウスピース矯正の場合、ワイヤー矯正とは違って取り外しができますし、矯正治療中の痛みは比較的少ないです。
そのため、食事やブラッシングへの影響をなるべく減らしたい方は、マウスピース矯正の方が継続しやすい可能性があります。
まとめ
ワイヤー矯正はもっともポピュラーな矯正方法であり、他の矯正治療が続々と登場する中、いまだに選択する方は多いです。
しかし、ワイヤー矯正で十分に歯を動かすにはそれなりの時間が必要であり、どうしても途中で断念する方が出てきます。
そのため矯正治療を受ける場合、他の矯正方法も視野に入れつつ、必ず最後までやり遂げる覚悟を持っておかなければいけません。