自費診療は、患者さんが治療費を10割負担する治療です。
これだけ聞くと少し手が出にくいイメージがありますが、保険診療にはないメリットが多く存在することから、コストパフォーマンスで言えば決して悪くありません。
今回は、主な自費診療とその費用相場について解説します。
主な自費診療と費用相場5選
歯科クリニックで受けられる自費診療には、主に以下の種類があります。
・PMTC
・セラミック治療
・インプラント
・入れ歯
・ホワイトニング
それぞれの概要や費用相場について解説します。
PMTCの費用相場
PMTCは、簡単に言うとプロフェッショナルによる機械的な歯面清掃です。
フッ素配合の研磨剤や専用の器具を使用し、歯の汚れや歯石を丁寧に取り除きます。
PMTCを受けることによって虫歯や歯周病などの予防につながりますが、治療ではないため、残念ながら保険は適用されません。
またPMTCの費用相場については、一般的には5,000~15,000円程度とされています。
地域のサービスのレベルなどにより、金額は多少変わってきますが、実際に受けようとする方はこれくらいの費用がかかることを念頭に置いておきましょう。
セラミック治療の費用相場
セラミック治療は、天然歯の色調や質感、透明感などを忠実に再現できるセラミックの歯を装着する治療です。
セラミックはいわゆる陶器であり、お皿やマグカップなどに使用される素材とほぼ同じものです。
またセラミック治療の費用相場については、詰め物なのか被せ物なのか、どのような素材を使用するかによって変わってきます。
一口にセラミックと言ってもその種類は多様であり、それぞれ異なる特徴を持っています。
すべてがセラミックでできたオールセラミックのクラウン(被せ物)は、100,000円程度の金額になることもあり、品質は高いものの出費も多くなることが予想されます。
一方セラミックインレー(詰め物)の場合、40,000~90,000円程度で治療できるケースが多いです。
インプラントの費用相場
インプラントは、歯を失った部分に人工歯根を埋め込み、その上に上部構造と呼ばれる人工歯を被せ、天然歯の代わりに使用するものです。
こちらも保険が適用されない自費診療として提供されています。
またインプラントの費用相場については、1本あたり300,000~400,000円程度となっています。
内訳としては、手術費用だけでなく人工歯根とアバットメント(つなぎ目の部分)、上部構造の素材における費用が含まれています。
またインプラントについては、前歯と奥歯で大きな価格差はありませんが、場合によっては技術的な難易度や必要な追加処置により、さらに費用が高くなることがあります。
ちなみに、ここでいう必要な処置には、骨造成が含まれています。
こちらは顎の骨が足りない場合に、量を増やすための治療です。
骨造成治療の費用相場は、適用される手法によって変わってきます。
上の顎の奥歯部分の骨が5mm以上ある場合に適用されるソケットリフトは、30,000~100,000円程度で受けられます。
一方原則顎骨の高さが5mm以下の場合に行うサイナスリフトは、より重度の骨不足のときに採用されるため、費用相場も150,000~300,000円と高めです。
ちなみに骨造成については、インプラントを取り扱う歯科クリニックであればすべて対応しているとは限りません。
自費診療の入れ歯の費用相場
通常の入れ歯は保険診療で作製できますが、中には自由診療のものもあります。
例えばバネ部分に樹脂を使用したノンクラスプデンチャー、金属を使用した金属床義歯、磁石の力で歯を安定させるマグネット義歯などが該当します。
ノンクラスプデンチャー1本の費用相場は、患者さんの口の大きさや状態によって異なるものの、およそ150,000円となっています。
また金属床義歯については250,000~300,000円程度、マグネット義歯については30,000~50,000円程度が相場です。
ちなみにこれらの入れ歯が自費診療になる理由としては、プラスチック以外の素材を使用していることが挙げられます。
シリコンやマグネットの他、チタンやコバルトクロムなどを使用している入れ歯も、原則自費診療になります。
ホワイトニングの費用相場
ホワイトニングには、歯科クリニックで施術を受けるオフィスホワイトニング、自宅で行うホームホワイトニングがあります。
またこれら2つを組み合わせたデュアルホワイトニングというものも存在します。
オフィスホワイトニングは30,000~70,000円程度、ホームホワイトニングは25,000~50,000円程度で受けることが可能です。
またデュアルホワイトニングは2つの施術を並行して行うため、費用相場は50,000~100,000円程度と、ホワイトニングの中では高めになっています。
ちなみにホワイトニング以外の歯を白くする方法として、ラミネートベニアというものがあります。
こちらは歯の表面を削り、上から薄いセラミックの板を貼り付けるというもので、費用は1本50,000~150,000円程度が相場です。
まとめ
保険が適用されないという理由により、自費診療を敬遠しているという方も少なくないでしょう。
確かに費用の負担は大きくなるかもしれませんが、それだけの理由で保険診療を選ぶというのは得策ではありません。
まずは自費診療にどのような治療や施術があるのかを知り、メリットやデメリット、費用相場なども知った上で判断するのが望ましいです。