親御さんは、子どもの虫歯リスクを軽減するために、さまざまなサポートをしなければいけません。
また、代表的なサポートとして挙げられるのが、今回スポットを当てる仕上げ磨きです。
ここからは、子どもの仕上げ磨きにおける方法や注意点、タイミングなどについて解説したいと思います。
仕上げ磨きとは?
仕上げ磨きとは、子どもの磨き残しを防ぎ、健康な歯を保つために親御さんが行うケアのことをいいます。
その他、正しい歯磨きの習慣を身に付けるための教育という目的も持っています。
小さな子でも歯のケアは必要であり、4歳くらいの子であれば、ある程度自身で歯を磨くことも可能ですが、しっかり歯の面に沿って磨くことは難しいです。
このような磨き残しが虫歯につながり、特に乳歯は柔らかく虫歯のリスクが高いため、親御さんがきちんと仕上げ磨きを行い、汚れを隅々まで除去する必要があります。
仕上げ磨きの基本
仕上げ磨きの基本的な方法としては、まず歯ブラシを毛先と歯茎の境目、歯と歯の間にきちんと当てることが挙げられます。
このような磨き方は、子どもだけでは実践するのが難しいです。
また、歯ブラシを動かすときの力は、歯ブラシの毛先が広がらない程度、重さにして150~200gくらいの軽い力にするのがポイントで、動かすときの横幅は5~10mm程度にし、1~2本の歯を丁寧に磨きます。
その他、きちんと時間をかけて磨くことも、仕上げ磨きの重要なポイントです。
歯に付着したプラークはなかなか取り切るのが難しいため、ブラッシングの時間は最低でも3分以上にし、1ヶ所を20回程度は磨く必要があります。
強い力をかけたり、歯ブラシを早く動かしたりすると、歯茎を傷付けたり、逆にプラークが除去しにくくなったりします。
もちろん、子どもが痛がり、歯磨きを嫌がる原因にもなります。
特に磨きにくい場所のポイント
仕上げ磨きでは、特に磨きにくい上の前歯の表側と裏側、奥歯を意識して磨くことが大切です。
上の前歯の表側は、中心部分に上唇小帯という歯茎と唇をつなぐ筋のようなものがあるため、歯ブラシが当たらないように、指でガードしながらブラッシングを行います。
上の前歯の裏側は、他の歯のように横に小刻みに歯ブラシを動かすのではなく、歯ブラシを垂直に当て、縦に動かして磨くことで、プラークが除去しやすくなります。
また、奥歯は特に歯ブラシが磨きにくいところであるため、歯の表側や裏側、噛む面にそれぞれしっかりと歯ブラシを当てて磨きます。
このとき、人差し指で頬を少し外側に引っ張り、歯ブラシが入り込むスペースをつくることで、より磨きやすくなります。
引っ張りすぎると子どもが痛がるため、注意してください。
仕上げ磨きを行う際の姿勢
仕上げ磨きを行う際は、どのような姿勢を取るのかも重要です。
0~1歳の赤ちゃんであれば、親御さんの片手を脇に挟み込み、頭を抱えるようにして、膝の上に乗せた状態で磨くのがおすすめです。
母乳を与えるときの姿勢と考えると、イメージしやすいかと思います。
また、1~3歳の子どもは、親御さんの膝を少し開いて正座し、膝の上に頭を乗せるようにして磨きます。
親御さんと子どもの顔が逆さまになるような形です。
3歳以上の子どもについては、イスなどに座らせた状態で後ろから支えて磨きます。
ちなみに、仕上げ磨きの際に子どもがじっとしてくれない場合は、両親が向かい合わせになって座り、動こうとする子どもの手や足を軽く押さえる方法が有効です。
仕上げ磨きの際の歯ブラシの持ち方や選び方
仕上げ磨きを行う際の歯ブラシの持ち方は、ペンを持つときと同じペングリップという形がおすすめです。
ペングリップにすることにより、過度な力がかかりにくく、手首を回して細かく動かすことが可能です。
逆に、手をグーにして握ると力が入りすぎるおそれがあるため、注意してください。
また、仕上げ磨きに使用する歯ブラシは、歯茎付近に当てても子どもが痛がらないように、なるべくやわらかめのものを選ぶべきです。
柄の形状についてはストレート、ヘッド部分は子どもの小さな口の中にも入るように、できるだけ小さいものを選ぶのが理想的です。
仕上げ磨きを行うタイミング
仕上げ磨きは、毎食後にしてあげることが理想的です。
しかし、お昼は子どもが幼稚園や保育園、学校に行っていることも多いため、ご飯やおやつのたびに仕上げ磨きをすることは現実的ではありません。
そのため、基本的には1日に2回、もしくは1回を朝食や夕食の後を目安にしてみてください。
特に、就寝中は唾液の分泌量が少なくなり、虫歯ができやすくなるため、夕食の後は必ず仕上げ磨きを行いましょう。
まとめ
ここまで、子どもの仕上げ磨きにおける方法や注意点、タイミングなどについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
食べ与える食事の工夫など、親御さんができる虫歯予防のサポートは他にもありますが、やはりプラークが口内に残ってしまうと、虫歯のリスクは高くなります。
そのため、正しい方法で仕上げ磨きを行い、極力口内が清潔な時間を長くしてあげることが大切です。