【広島の歯医者】子どものガミースマイルにおける原因や治療法

将来のことを考え、親御さんは子どもの歯並びや口内環境について、逐一チェックする必要があります。

また、子どもの口内でよく見られる状態の一つに、“ガミースマイル”というものが挙げられます。

ここからは、子どものガミースマイルにおける原因や治療法について解説したいと思います。

目次

ガミースマイルの概要

ガミースマイルとは、笑顔になったときに、歯茎の見える面積が広い状態のことをいいます。

英語で歯茎という意味のgumの形容詞であるgummyが語源で、笑ったときの歯茎の印象が強いことから、このように呼ばれています。

具体的には、歯茎が3mm以上見えているとガミースマイルに該当します。

日本では、笑うと歯茎が見えることがチャームポイントの一つとして扱われることも多いですが、こちらは機能性や審美性などにおいて、歯科業界ではあまり良いものとはされていません。

ガミースマイルのデメリット

子どものガミースマイルにおける主なデメリットとしては、以下のことが挙げられます。

・子どもの精神的な負担になる
・口内の衛生状態が悪くなる
・歯並びが乱れる

子どもの精神的な負担になる

笑顔になったときに現れる上唇の線は、リップラインと呼ばれています。

こちらは、上の前歯がギリギリ1本見えるくらいのところに線があるのが理想とされていますが、ガミースマイルはそれよりもはるかに上に線があります。

そのため、やや審美性に欠けます。

また、他の人に比べて審美性に欠ける口元にコンプレックスを抱くと、子どもの精神的な負担は大きくなり、人前で思いきり笑えなかったり、笑うときついつい口元を手で隠したりすることがあります。

場合によっては、学校の友達などに、心ない言葉をかけられることも考えられます。

子どもの衛生状態が悪くなる

ガミースマイルの子どもは、歯茎が人より空気にさらされやすく、口内が乾燥しがちになります。

また、口内が乾燥していると、殺菌作用のある唾液が減少し、口内に細菌や雑菌が繁殖しやすくなります。

これらの菌は、虫歯や歯周病の発症や悪化の原因になることもあります。

歯並びが乱れる

ガミースマイルの子どもは、上顎が下方向に成長していることが考えられます。

そのため、場合によっては、下顎の成長が阻害されてしまう可能性があります。

また、下顎の成長が未熟だと、歯並びが悪くなることも考えられます。

ガミースマイルの主な原因

子どものガミースマイルは、主に以下のような原因で発生します。

・骨格や歯並び
・歯や歯茎の大きさ
・上唇の筋肉
・遺伝

骨格や歯並び

上顎の骨が前に出ている上顎前突の場合、歯と歯茎の部分が出っ張った状態になり、上唇が押し上げられ、ガミースマイルになることがあります。

また、上下の歯を噛み合わせたときに、下の前歯が上の前歯で隠れてしまうことを過蓋咬合といいますが、こちらは上顎の過成長もしくは下顎の未成長などで起こり、ガミースマイルの原因になり得ます。

歯や歯茎の大きさ

歯に歯茎が大きく被さっていたり、平均よりも歯が小さかったりする場合も、歯茎の部分が強調され、ガミースマイルを生じることがあります。

上唇の筋肉

上唇には、上唇を上げる上唇挙筋という筋肉があります。

こちらの発達が過剰になると、唇がめくり上がりすぎることにより、ガミースマイルの原因になります。

遺伝

骨格が原因のガミースマイルは、親から子どもに遺伝することがあります。

例えば、両親のいずれかが上顎前突である場合、子どもにも影響が出る可能性があり、このような遺伝が骨格や歯の形態に問題を生じさせる場合、ガミースマイルになることが考えられます。

ガミースマイルの主な治療法

歯科クリニックで行われるガミースマイルの主な治療法は、以下の3つです。

・マウスピース矯正
・MFT(口腔筋機能療法)
・ヘッドギア矯正

マウスピース矯正は、上の歯が下の歯に覆いかぶさる過蓋咬合が原因の場合に用いられます。

MFTは、トレーニングによって舌や唇を正しい位置に改善し、指しゃぶりの癖や舌の動きを改善する治療で、ガミースマイルの改善にも効果が期待できます。

また、ヘッドギア矯正は、小児用のヘッドギアと呼ばれる矯正装置を使用し、上顎を後ろ方向へ引っ張り、上顎骨の過度な成長を抑え、下顎とのバランスを整えます。

特に、出っ歯の不正咬合が見られる場合には、こちらの治療法が効果的です。

ちなみに、ガミースマイルを治療するタイミングについては個人差がありますが、小児矯正治療の場合は、上顎の成長を利用することができる3~7歳くらいまでの時期に治療を開始すると、大きな効果が期待できます。

まとめ

ここまで、子どものガミースマイルにおける原因やデメリット、治療法について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?

ガミースマイルは個性的な口元であり、好意的な目で見られることもありますが、そのままにしておくことのメリットよりも、デメリットの方が大きいと言えます。

そのため、子どもの意見も聞き入れながら、親御さんは顎が成長しきってしまう前に治療すべきだと言えます。

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