小児歯科治療と言えば、子どもの虫歯を治したり、シーラントやフッ素塗布などの虫歯を予防したりする治療をイメージする方も多いかと思います。
もちろん、これらは代表的な小児歯科治療ですが、中でも重要なのが歯磨き指導です。
今回は、小児歯科で歯磨き指導を受けることのメリットを中心に解説したいと思います。
歯磨き指導とは?
歯磨き指導は、その名の通り、子どもが毎日行う歯磨きの方法やポイントなどについて、指導やアドバイスを受けるというものです。
子どもを持つ親御さんは、自身の子どもに対して歯磨きの重要性を説明したり、実践を交えながら教えたりすることがあるかと思いますが、細かい磨き方などについては、なかなか的確に教えるのは難しいです。
小児歯科では、豊富な知識を持つ医師による、歯磨きの細かい指導を行っています。
小児歯科の歯磨き指導におけるメリット
小児歯科で歯磨き指導を受けることのメリットとしては、主に以下のことが挙げられます。
・歯磨きの問題を客観的に知ることができる
・効率的に歯磨きができるようになる
・生涯にわたって口内の健康が維持できる
・歯並びに合わせたブラッシング法が身に付く
・悪化しやすい乳歯の虫歯を予防できる
歯磨きの問題を客観的に知ることができる
多くの子どもは、普段何気なく行なっている歯磨きでそこまで意識することはありません。
そのため、右側だけよく磨けていて左側はあまり磨けていない、力を入れすぎているというようなことがあっても、自己流でやっていると、その問題を認識するのは困難です。
また、歯ブラシの硬さや大きさ、歯ブラシ以外に必要な清掃器具なども、口の状態に合ってないものが使われていることがよくあります。
間違った清掃器具の使い方により、効果が半減していたり、歯や歯茎にダメージを与えていたりすることもあります。
小児歯科で歯磨き指導を受けることにより、このような歯磨きの問題をプロが客観的に捉え、正しい方向に修正していくことができます。
効率的に歯磨きができるようになる
ただ漠然と口の中に歯ブラシを入れ、ゴシゴシ動かしているだけでは、口の中はキレイになりません。
また、乳歯しか生えていない子どもの頃は、親御さんが主導して歯磨きをしますが、永久歯が生える頃になると、子ども自身の歯磨きが重要になります。
小児歯科で歯磨き指導を受ければ、自分の歯並びの磨きにくい部分を理解し、効率的に汚れを除去できる歯磨きの方法を学ぶことができます。
生涯にわたって口内の健康が維持できる
子どもが将来、虫歯や歯周病などの疾患に悩まないためには、自宅で行う日々のブラッシングが重要です。
また、歯磨き指導により、子どものうちに正しいブラッシング方法を習得すると、生涯にわたって口の健康を維持することが期待できます。
こちらは、子どもの将来を心配する親御さんにとっても、子ども自身にとってもメリットだと言えます。
歯並びに合わせたブラッシング法が身に付く
子どもの歯並びは、一人ひとりで大きく異なります。
また、歯の磨き方もそれぞれで大きく異なることから、プロフェショナルによる歯磨き指導はとても重要です。
小児歯科では、歯磨きの専門家である歯科衛生士が患者さんの口の状態をしっかりと見極めた上で、最良といえるブラッシング法を提案してくれます。
悪化しやすい乳歯の虫歯を予防できる
子どもの乳歯は非常に柔らかく、永久歯よりも虫歯になりやすいと言われています。
また、乳歯の虫歯は痛みを感じにくいため、知らず知らずのうちに進行してしまうことが多いです。
「いずれ生え変わるから大丈夫」と思われがちですが、実際には口内の虫歯菌も増えるため、生え変わった後の永久歯にも影響が出てしまいます。
そのため、早いうちから歯磨き指導を受け、乳歯の虫歯を予防するのが大切です。
小児歯科の歯磨き指導における注意点
小児歯科の歯磨き指導における注意点としては、定期的に歯科クリニックに通わなければいけないため、費用がかかることが挙げられます。
ただし、歯磨き指導は、虫歯や歯周病の発症を未然に防ぐことを目的としているため、虫歯や歯周病になりその治療費が発生することを考えると、トータルでは費用を抑えられる可能性が高くなります。
また、その他の注意点としては、子どもが指導を受けるだけでなく、親御さんも歯磨きに関するポイントについて質問するということです。
例えば、子どもの歯の形に合った歯ブラシについて、正しい歯の磨き方について、デンタルフロスの使い方についてといったポイントは、積極的に質問し、親御さんも把握しておくべきだと言えます。
まとめ
ここまで、小児歯科の歯磨き指導におけるメリットを中心に解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
歯磨き指導を受ければ、親御さんだけではカバーしきれない専門的な知識や技術についても、ある程度得ることができます。
また、これらの知識は、子どもの虫歯や歯周病予防につながるだけでなく、親御さんが自身の歯をケアする際にも役立ちます。