【広島の歯医者】小児歯科治療における麻酔に関すること

小児歯科治療は、成長発育期にある子どもの虫歯予防、治療などを行う診療科です。

そのため、痛みや安全性などについては十分に配慮されていますが、その配慮の一環として使用されるのが麻酔です。

ここからは、小児歯科治療における麻酔に関することをいくつか解説したいと思います。

目次

小児歯科治療で麻酔が必要になるケースは?

小児歯科治療で麻酔が必要となるのは、進行した重度な虫歯や乳歯を抜く時が多いです。

虫歯が小さく、軽度な場合は、麻酔なく治療することも可能です。

また、麻酔の方法としては、大人の歯科治療と同じで、治療する箇所のみ痛みを感じさせないようにする局所麻酔が一般的な方法です。

こちらの方法については後ほど詳しく解説します。

麻酔は何歳からできる?

小児歯科治療の麻酔は、0歳から投与できるとされています。

しかし、小さな子どもの身体には負担になることが考えられるため、あまりおすすめはできません。

小児歯科治療でも、大人の歯科治療と同様に局所麻酔を使用します。

麻酔を使えば、治療中は痛みを感じない一方、注射による痛みがあります。

小さな子どもは、こちらの痛みに耐えることが難しい場合があります。

そのため、多くの歯科クリニックでは、多少の痛みに耐えられるようになる6歳頃までは、麻酔を使わない方針を採用しています。

小児歯科治療で使用する麻酔の種類

小児歯科治療で使用する麻酔の種類は、大きく以下の2種類に分けられます。

・局所麻酔
・精神鎮静法

局所麻酔

局所麻酔は、治療部位の歯茎に注射器で麻酔を注入する方法です。

価格の安さや注入の手軽さから多くの虫歯治療で使用されていますが、注入時に痛みを感じるのがデメリットと言えます。

そのため、腕への注射に慣れている子どもでも、歯茎の注射は痛みや違和感が強く泣いてしまうこともあります。

一般的な方法ではあるものの、大人でも痛いと感じる人も多く、一瞬ではありますが痛みによる我慢が必要です。

精神鎮静法

歯を削る振動や音、薬品臭などが苦手で恐怖心が強い子どもや、嘔吐反射の強い子どもには、精神鎮静法という麻酔法が用いられます。

こちらは、強いストレスを感じないようリラックスできる麻酔薬を使用するもので、吸入鎮静法と静脈内鎮静法の2種類があります。

吸入鎮静法は、マスクをかけて鼻から笑気という麻酔ガスを吸入することで、不安や恐怖を感じにくいリラックスした状態で治療を行います。

体内の重要な臓器への作用が極めて小さいので、吸入をやめると体内から速やかに排出されます。

また、静脈内鎮静法は、笑気より効果の高い麻酔薬を静脈から点滴で注入し、ほぼ眠っているような状態で治療を行います。

治療への緊張や不安を和らげ、ストレスを軽減することができます。

局所麻酔の痛みを軽減させるには?

先ほど、局所麻酔は多少の痛みが出ることがデメリットだと言いましたが、小児歯科治療では、まず表面麻酔という“麻酔のための麻酔”を施します。

表面麻酔は、ジェル状の薬剤を歯茎に塗布するだけであるため、痛みや不快感が生じることはまずありません。

表面麻酔を塗布して数分が経過すると、歯茎の感覚が麻痺した状態となり、続いて行う局所麻酔の痛みも軽減されます。

その他で言うと、歯科クリニックでは以下のような工夫を行っています。

・麻酔薬の温度を体温に近づける
・麻酔薬を一定の圧力でゆっくりと注入する

麻酔薬の温度をあらかじめ体温に近づけておくことで、麻酔薬が注入する際の痛みを抑えることが可能です。

また、麻酔薬を勢いよく注入してしまうと、周囲の組織に圧力がかかり、痛みにつながってしまいますが、ゆっくりと一定の圧力で注入することで、痛みが軽減できます。

そのため手動の麻酔器ではなく、電動でゆっくりと麻酔薬を注入することができる電動麻酔器を使う歯科クリニックもあります。

麻酔のアレルギーについて

小児歯科治療で行う麻酔においては、アレルギー症状が出る可能性があります。

具体的な症状としては、皮膚の発疹(赤くなる、痒みが出る)、呼吸困難、血圧低下、脈拍低下、顔面浮腫などがあります。

アレルギーの原因は家族性があるため、兄弟、姉妹、両親の方に麻酔薬でアレルギー症状が出たことのある方がいる場合は、パッチテストのようなアレルギー検査を行うことをおすすめします。

麻酔によるその他の症状について

小児歯科治療で麻酔を施す場合、アレルギー以外の症状が出ることもあります。

例えば、動悸がした、呼吸がしづらくなった、気分が悪くなったといった症状はアレルギーではなく、神経原生ショックや過換気症候群(過呼吸)、麻酔の副作用である可能性が高くなります。

麻酔薬にはアドレナリン含有のものがあり、その副作用で動悸がしたり、気分が悪くなったりすることがあります。
このような場合には、使用する麻酔の量を減らして対応します。

まとめ

ここまで、小児歯科治療で使用する麻酔に関することを解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

小児歯科治療における麻酔は、安全性の高いものであり、耐えがたいほどの激痛が生じるものでもありません。

しかし、子どもにとっては辛いものであったり、アレルギーのリスクがあったりすることは事実であるため、施術については歯科クリニックの説明をしっかりと受けましょう。

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