子どもの乳歯は、生え変わりの時期を迎えると少しずつ抜け始め、次第に永久歯が生えてきます。
しかし、中には一向に乳歯が抜けず、正しく生え変わりが行われないというケースもあります。
ここからは、子どもの乳歯がなかなか抜けない原因や、そのような場合の対処法について解説します。
子どもの乳歯はいつ生え変わるのか?
乳歯がすべて生え揃った後、その3~4年後、平均して6歳頃から、少しずつ生え変わりがスタートします。
まず、下の前歯が抜け、それとほぼ同時に、6歳臼歯と呼ばれる奥歯が生えてきます。
そして、14歳頃までに、親知らずを除くすべての永久歯が生え揃います。
また、乳歯が抜ける時期には個人差があります。
そのため、多少の早い、遅いをそこまで心配する必要はありませんが、7歳になっても8歳になっても、なかなか生え変わりが進まないという場合には、何かしらのトラブルが発生していると考えられます。
子どもの乳歯がなかなか抜けない原因について
子どもの乳歯がなかなか抜けない場合、主に以下のような原因が考えられます。
・永久歯の成長が遅れている
・永久歯がずれて生えている
・永久歯が埋伏している
・乳歯がくっついている
永久歯の成長が遅れている
乳歯は永久歯が成長することにより、根元が溶けて抜け落ちるようになっています。
そのため、永久歯の成長速度が遅いと、必然的に乳歯が抜ける時期も遅くなります。
永久歯がずれて生えている
本来、永久歯は乳歯のすぐ下で成長します。
しかし、こちらがずれた位置で成長すると、乳歯の根っこがうまく吸収されず、なかなか抜け落ちないことがあります。
永久歯が埋伏している
永久歯が骨や粘膜に埋ったまま、生えてこないような状態だと、乳歯の根っこが溶けず、抜け落ちることもありません。
このような埋まったままの歯は埋伏歯と呼ばれ、特に親知らずでよく見られますが、奥歯だけでなく、別の永久歯が埋伏歯になってしまう可能性も十分にあります。
乳歯がくっついている
永久歯の成長に問題がなかったとしても、乳歯同士でくっついていると、根っこがうまく吸収されないことがあります。
このような歯は癒合歯と呼ばれ、胎児のときにつくられた乳歯の同じ芽から、歯が生え始めたことが原因と考えられています。
乳歯がなかなか抜けない場合の対処法
子ども乳歯がなかなか抜けない場合は、以下のような細かい状況に合わせて適切な対処をしなければいけません。
乳歯がグラグラしている場合
乳歯がグラグラしていて、抜け落ちそうにもかかわらず、なかなか抜けないという場合は、乳歯の真下から永久歯が出ていて、きちんと乳歯の根っこが吸収されている証拠です。
そのため、特に何もせず、しばらく様子を見ましょう。
何も力を加えず、食事のときなどにポロッと歯が取れるのが理想的です。
もし、グラグラしている状態から3ヶ月以上経っても抜けない、もしくは食事や歯磨きの際、子どもが痛みを訴えるというのであれば、一度歯科クリニックに相談することをおすすめします。
乳歯が残っているにもかかわらず永久歯が生えてきている場合
乳歯がまだ抜けていないにもかかわらず、その裏側や横から永久歯が生えてくるケースがあります。
永久歯の見える部分が増えるごとに、少しずつ乳歯が揺れてきているのであれば、自然に抜け落ちる可能性があるため、特に問題はありませんが、乳歯が抜ける気配がない場合や、子どもが痛みを訴える場合は、早急に抜歯した方が良いため、歯科クリニックに連絡してください。
乳歯が揺れていないのは、永久歯の生える位置が悪く、乳歯の根っこが吸収されていない証拠です。
乳歯が抜けたにもかかわらず永久歯が生えてこない場合
乳歯が完全に抜け落ちたにもかかわらず、そこから永久歯が生えてこないという場合も、しばらくは様子を見ます。
もし、半年以上経過しても永久歯が生えてこない場合は、生える方向に問題があり、顎の骨の中で引っかかっていたり、遺伝的または先天的にその部分の永久歯がなかったりする可能性があるため、歯科クリニックに相談してください。
乳歯が抜けない場合のNG行動
なかなか乳歯が抜けないという場合であっても、以下のような行動を取ってはいけません。
・無理に抜く
・無理にねじる
・汚れた手で歯を触る
乳歯を無理に引っ張って抜こうとすると、歯茎が傷ついたり、歯の根が折れて残ったりして、生え変わりに悪影響を及ぼす可能性があります。
また、歯を無理にねじると痛みが生じることがありますし、汚れた手で何度も歯や歯茎を触ると、細菌が入って炎症を起こすことも考えられます。
まとめ
ここまで、子どもの乳歯が抜けない原因や対処法について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
周りの子がみんな生え変わりの時期を迎えているにもかかわらず、自分の子どもだけ始まっていないと、親御さんは不安になるかと思います。
しかし、何年も遅れるようなことがない限りは個人差の範疇であるため、まずは気長に乳歯が揺れ始めるのを待ってみましょう。