子どもの歯並びの悪化につながる要因としては、口呼吸や指しゃぶりなどの悪い癖のほか、食事内容も挙げられます。
親御さんは、子どもの歯並びがキレイになるように、毎日与える食事の内容を工夫することが求められます。
ここからは、具体的にどのような工夫が効果的なのかについて解説します。
子どもの歯並びを整えるための食事における工夫6選
以下のような食事における親御さんの工夫やサポートは、子どもの歯並びを整えることにつながります。
・和食中心のメニューにする
・調理法を工夫する
・栄養バランスが良いメニューにする
・おやつを工夫する
・食事中きちんと座らせる
・クチャクチャ食べるのをやめさせる
和食中心のメニューにする
和食では、干物や乾物、こんにゃく、漬物など、洋食にはない歯ごたえのある食材を多数使用します。
そのため、和食中心の献立にするだけでも、自然に子どもの噛む回数が増やせるのです。
主食のご飯は、玄米や押し麦などを混ぜて炊くことで、プチプチとした食感になり、よく噛むことにつながります。
レシピとしては、筑前煮、きんぴらごぼう、ひじきと豆の煮物、細かく切ったこんにゃくやごぼうが入った五目ご飯、浅漬け、野菜スティックなどがおすすめです。
調理法を工夫する
使用する食材選びとともに、調理法を工夫することでも噛む習慣をつけられます。
例えば、以下のような調理法がおすすめです。
・普段は細かく切っている食材を少し大きめに切る
・野菜は繊維を壊さない方向を意識する(繊維にそって切る)
・生で食べても問題ない食材は火を通しすぎず、少し歯ごたえが残るよう調節する など
また、子どもが好きなハンバーグに根菜を混ぜてみたり、スパゲティの具にアサリを加えてみたりと、子どもが好む普段の食事にプラスアルファをするだけでも、噛む回数を増やすことができます。
ちなみに、スープや味噌汁などの汁物は、水分が多いと、具を流し込んで飲むのが癖になりやすいので、注意が必要です。
逆に、汁気が少なくなるように調理したり、よそったりすれば、必然的に具材を噛む回数を増やすことができます。
栄養バランスが良いメニューにする
子どもの歯並びを整えるには、カルシウムをメインに、さまざまな栄養を採り入れ、歯を強くすることも大切です。
単独では吸収しづらい栄養素でも、以下のような食材とあわせてバランスよく食べることで、効率良く強い歯に必要な栄養を摂ることができます。
栄養素 | 効果 | 多く含まれる食材 |
カルシウム | 歯の石灰化を促す | 乳製品、ひじき、しらすなど |
タンパク質 | 歯の基礎をつくる | アジ、卵、牛乳、豆腐など |
ビタミンA | 歯の表面のエナメル質をつくる | 豚肉、レバー、ホウレンソウ、ニンジンなど |
ビタミンC | 歯の大部分を占める象牙質をつくる | ホウレンソウ、みかん、サツマイモなど |
ビタミンD | カルシウムの吸収を助ける | バター、卵黄、キノコ類など |
おやつを工夫する
噛みごたえのあるメニューを嫌がる子どもでも、おやつであればしっかりと噛んでくれる可能性が高いです。
やわらかい食事に慣れている場合、まずはおやつから、よく噛む習慣作りをスタートさせましょう。
また、よく噛めるおやつとしては、主に以下のようなものが挙げられます。
・干し芋
・かりんとう
・堅焼きせんべい
・いりこ など
食事中きちんと座らせる
食事中に足を床につけず、ブラブラとさせていると、食べ物を噛む力が弱くなったり、噛む回数が少なくなったりしてしまいます。
また、悪い姿勢で食事をしていると、あごの発達にも支障が出て歯並びが悪くなるなど、さまざまな方向に悪影響を及ぼしてしまうので、注意が必要です。
親御さんは、以下のような正しい食事の摂り方、姿勢を指導し、実施させましょう。
・テーブルに向かってまっすぐに座る
・胸とへその間にテーブルが来るようにし、イスに深く腰掛ける
・テーブルとの間は、こぶし1つ分空け、足を床につけて食事をする
このとき、背筋が丸まった姿勢や、肘をついて食べたり、前かがみになったりしないように注意しなければいけません。
親御さんが見本を見せれば、子どももその真似をする可能性が高いです。
クチャクチャ食べるのをやめさせる
子どもの中には、食事を摂るときクチャクチャと音と立てる子がいますが、この食べ方は、口呼吸を習慣にしている子どもに見られることが多い癖です。
口呼吸をしていると、口を閉じる力が弱くなります。
また、習慣的に口を閉じると、呼吸が苦しくなるように感じてしまうため、咀嚼の際にも口を開けてしまいます。
このような食べ方では、歯列に対する筋肉のバランスが崩れ、歯並びの成育に悪影響を与えることも考えられます。
まとめ
ここまで、子どもの歯並びを整えるために、親御さんが行うべき食事の工夫について解説してきました。
子どもは食事の内容や栄養バランス、摂り方などについて、そこまで意識を高くすることが難しいです。
そのため、親御さんが歯並びを整えることの大事さを説き、子どもに理解させた上で、前述したようなさまざまな対策を講じる必要があります。