【広島の歯医者】子どもの萌出性歯肉炎における原因や治療法

子どもの歯や歯茎の問題は、親御さんが早めに発見し、必要であれば治療を受けさせる必要があります。

また、そのためには、子どもの口内で発生するトラブルについて、知識を多く持っておかなければいけません。

ここからは、子どもの“萌出性歯肉炎”における概要や原因、治療法などについて解説します。

目次

萌出性歯肉炎の概要

萌出性歯肉炎は、名前の通り歯が生えてくる(萌出する)際に発症する歯肉炎で、生えてくる途中の歯の周囲に炎症が見られます。

ただし、こちらはあくまで歯肉炎であり、いわば軽度の歯周病です。

そのため、細菌感染や炎症反応については、歯茎のみにとどまります。

また、大人の歯周病のように、顎の骨まで破壊されるようなこともまずありません。

萌出性歯肉炎を発症しやすいタイミング

萌出性歯肉炎は、子どもの乳歯が生えるタイミング、永久歯に生え変わるタイミングで好発します。

どちらかというと、後者のタイミングで発症することの方が多いです。

具体的には、乳歯が生えてくる3歳までの時期、第一大臼歯が生えてくる6歳前後、第二大臼歯が生えてくる12歳前後の発症が多く、こちらの時期に症状が出ている場合は、萌出性歯肉炎を疑うべきです。

萌出性歯肉炎の主な症状

萌出性歯肉炎の主な症状には、歯茎の炎症や腫れ、赤みなどが挙げられます。

また、これらの症状に加え、むず痒さやブラッシングの際の痛みといった症状が出ることもあります。

小さな子どもの場合、歯茎が腫れたり痛くなったりしていても、それをうまく表現して伝えることができません。

そのため、もし特定の歯に限っていつもブラッシングを痛がるというのであれば、萌出性歯肉炎で歯茎が腫れている可能性があります。

親御さんはこのような場合、無理やりブラッシングを行うようなことはせず、痛む場所の歯茎の色、形などを一度確認してみてください。

萌出性歯肉炎を発症する原因

萌出性歯肉炎を発症する原因を説明するには、まず永久歯がどのように生えてくるのかを理解していただく必要があります。

乳歯が抜け落ちてから、永久歯が歯茎を突き破って萌出するまでには、半年程度の期間を要します。

こちらの期間、埋伏している永久歯は少しずつ歯茎を押し上げながら、顔を出していきます。

つまり、歯茎が永久歯に覆い被さった状態が長く続くということです。

萌出性歯肉炎は、まさに永久歯が歯茎を押し上げること、歯茎が覆い被さることが原因で生じるものです。

永久歯が徐々に歯茎を押し上げるため、歯茎は物理的に負荷がかかった状態になります。

そのダメージが蓄積することにより、歯茎が腫れ、萌出性歯肉炎を発症することがあります。

また、歯茎が永久歯に覆い被さっていると、形状的に磨き残しが発生しやすくなります。

このとき口内に残った食べカスやプラークが、炎症の原因になることも考えられます。

萌出性歯肉炎の予防法

萌出性歯肉炎に関しては、残念ながら積極的に予防するのが難しいです。

なぜなら、歯がどのような状態で生えてくるかによっても、そのリスクが大きく変わってくるからです。

ただし、通常の歯周病と同じように、オーラルケアをしっかり行うことで、プラークや歯石の堆積が抑えられ、萌出性歯肉炎の予防にもつながることがあります。

また、こちらのオーラルケアは、セルフケアだけでなく、歯科クリニックで行うプロフェッショナルケアについても、継続的に行うことが重要です。

子ども自身や親御さんのブラッシングだけでは、どうしても磨き残しが生じやすくなりますし、特に歯が生えてくる発育期の子どもは、口内環境が悪くなりやすいため、歯科クリニックのチェックやクリーニングを定期的に受けるようにしてください。

萌出性歯肉炎の治療法

子どもの乳歯や永久歯が生えてくるタイミングで、実際に萌出性歯肉炎を発症してしまった場合、親御さんはまず可能な限り汚れを除去しましょう。

歯茎を清潔に保つことにより、炎症のリスクは軽減します。

萌出性歯肉炎を発症している場合、歯に歯茎が覆い被さっていて、歯の高さも他の歯に比べると低いため、ブラッシングはしにくいですが、丁寧に汚れを落とすことが大切です。

また、炎症の程度が軽度である場合は、無理に処置をせず様子を見ることで、自然に治癒していく可能性が高いです。

ただし、痛みが継続するような場合は、歯科クリニックに相談し、痛み止めなどを服用することもあります。

ちなみに、滅多にありませんが、痛みが強かったり、炎症を繰り返してしまったりする場合には、歯に覆い被さっている歯茎を切除することもあります。

こちらの治療は強制的に行うことはなく、基本はあくまで様子を見て、歯が出てくることで炎症がなくなるのを待つことになります。

まとめ

ここまで、子どもの萌出性歯肉炎に関することを詳しく解説しましたが、いかがでしたでしょうか?

萌出性歯肉炎は、炎症や痛みなどを伴いますが、大人が発症する歯周病のような重篤な症状ではありません。

そのため、親御さんは焦らずに経過を観察し、不安であれば歯科クリニックに相談した上で、回復を待つようにしてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次