【広島の歯医者】子どもの歯に見られる斜切痕とは?

親御さんは子どもの歯について、問題なく成長してほしいと願うものです。

しかし場合によっては歯のサイズや形状、見た目などに問題が生じることがあります。

こちらは形態異常と呼ばれるもので、そのうちの一つが斜切痕です。

ここからは、子どもの歯に見られる斜切痕について詳しく解説します。

目次

斜切痕の概要

斜切痕(しゃせっこん)は、子どもの上の前歯の裏側によく見られる形態異常です。

歯の裏側の一部が細い筋のような形をしているのが特徴です。

場合によっては、こちらが歯の根の先まで続いていることもあります。

歯根に達したものは、舌側歯頸溝というまた別の名称になります。

歯の裏側に見られる症状であるため、外から見て目立つことは基本的にありません。

それでも、子どもの歯周組織に悪影響を与える異常であることは確かです。

斜切痕の好発部位

子どもの斜切痕がよく見られるのは、上顎切歯です。

切歯は歯列の中央にある前歯です。

上下左右でそれぞれ2本ずつ、計8本あります。

斜切痕は、こちらの中でも上の切歯の中切歯以外によく見られます。

中切歯は前から1番目の歯であり、こちらで斜切痕が見られるケースは少ないです。

また下顎にも切歯は存在しますが、下顎で斜切痕が出現することはありません。

斜切痕のデメリット

子どもの斜切痕は、それほど大きく見た目に変化が見られるものではありません。

矮小歯や癒合歯など、見た目がかなり変わってしまう形態異常は他にも多くあります。

しかし、だからといってデメリットがないというわけではありません。

斜切痕には主に以下のようなデメリットがあります。

・虫歯になりやすい
・歯周病になりやすい
・口臭が出やすい

虫歯になりやすい

斜切痕は、パッと見た感じは歯の裏側に線が入っているように見えます。

しかし実際は、切歯の基底結節と辺縁隆線の間を斜めに横切る溝です。

そのため、溝の部分には食べカスやプラークが溜まりやすくなります。

またこちらの食べカスやプラークがとどまり続けると、当然虫歯のリスクは高まります。

前歯の裏側は、ただでさえ磨き残しが多い部分です。

斜切痕が見られる場合、よほど時間をかけて磨かなければ虫歯は予防できません。

歯周病になりやすい

子どもの斜切痕は歯周病のリスクも高めます。

前述の通り、斜切痕があるとその部分にプラークが溜まりやすいです。

プラークは虫歯だけでなく歯周病の原因にもなるため、注意が必要です。

また、斜切痕が根面溝と交通していると歯周ポケットができやすいです。

歯周ポケットは、炎症を起こして深くなった歯肉溝です。

こちらが深くなるほどプラークは溜まりやすく、より歯周病のリスクは高まります。

口臭が出やすい

斜切痕には食べカスやプラークがよく溜まります。

こちらを放置すると、口臭を発生させる原因にもなります。

また前歯の裏側は、プラークだけでなく歯石の付着も見られやすいです。

普段からなかなか清掃されず、残ったプラークが石化しやすいからです。

もちろん、歯石化すると口臭はさらに悪化します。

子どもの場合、学校などで口臭についてからかわれる可能性もあります。

斜切痕の対処法

子どもの斜切痕は、大がかりな治療で対処するケースが少ないです。

一般的には、歯科クリニックの医師によるブラッシング指導で対処します。

斜切痕がある場合、プラークの付着や歯石の沈着が起こりやすいです。

そのため、自力でのプラークコントロールが難しくなります。

そこで役立つのが、歯科医師によるブラッシング指導です。

前歯の裏側の汚れを落とす方法を身につければ、虫歯や歯周病のリスクは軽減します。

その他、タフトブラシを使用した補助的なケアも行います。

タフトブラシは、毛束が1つのヘッドが小さい歯ブラシです。

通常の歯ブラシでは毛先が届きにくいところの清掃に適しています。

具体的には歯と歯の間、歯と歯肉の境目を磨くのに向いています。

歯根の先まで溝が続く場合は、歯茎の中まで切開し形態を修正することもあります。

早めにシーラントを施すことも大切

何度も言うように、斜切痕がある部位は虫歯になりやすいです。

そのため早めにシーラントを施し、積極的に虫歯予防をするべきだと言えます。

シーラントは、主に虫歯になりやすい奥歯の溝の部分を歯科材料で封鎖する処置です。

奥歯以外では、前歯の裏側に使用することも可能です。

またシーラントを施すことで、食べカスや細菌が斜切痕に入り込むことを防ぎます。

ただしシーラントは、一度の施術で完了するというわけではありません。

施術後には必ず定期的なチェックが必要です。

なぜならシーラント剤が外れかかっている場合、極端に虫歯リスクが高まるからです。

まとめ

ここまで子どもの斜切痕について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?

子ども本人はもちろん、親御さんもなかなか斜切痕を発見するのは大変です。

そのため幼い頃から歯科クリニックで定期検診を受け、早期発見を目指しましょう。

また定期検診を受ければ、形態異常だけでなく虫歯などの問題も見つけやすいです。

子どもの将来を考えるのであれば、なるべく早く受けることをおすすめします。

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