【広島の歯医者】子どもに見られる歯周病の種類について

歯周病にかかるのは大人だけだと思っている方は、決して少なくないと思います。

しかし、実際は子どもも同じように発症し、歯茎の炎症などを引き起こします。

また、子どもの歯周病といっても、その種類や原因はさまざまです。

今回は、子どもに見られる歯周病の種類について解説したいと思います。

目次

子どもに見られる歯周病の種類5選

子どもの口内で発生する歯周病は、主に以下の5つに分けられます。

・不潔性歯肉炎
・萌出性歯肉炎
・思春期性歯肉炎
・侵襲性歯周炎
・口呼吸が原因の歯肉炎

各種の概要や原因について説明します。

不潔性歯肉炎

不潔性歯肉炎は、ブラッシングが不十分でプラークが溜まり、歯茎に炎症が起こることで発症する歯肉炎です。

子どもの口内では、不潔性歯肉炎がもっとも多く発症します。

歯が十分に磨けていないことで口内の細菌が増殖し、歯茎に傷がつくられた際、そこから感染するケースが多いです。

子どもの場合、ブラッシングの力加減がわからず、歯茎を傷付けることもあります。

したがって、親御さんは力加減についてきちんと指導しなければいけません。

また、不潔性歯肉炎になった場合、丁寧にブラッシングをしてプラークを除去することが大切です。

さらに、歯科クリニックで歯石を除去することで、多くの場合は症状が改善されます。

萌出性歯肉炎

萌出性歯肉炎は、歯が生えるときに歯茎が腫れたり、炎症が起きたりして痛みが出る歯肉炎です。

生え始めた乳歯や第一大臼歯(一番後ろの乳歯の奥から生える永久歯)、さらにその後ろに生える第二大臼歯などに見られます。

乳歯の生え変わりとして生えてくる永久歯では、あまり起こりません。

歯が生えてくるときには、周囲の歯茎を押しのけるような形になります。

そのため歯茎の形が変わり、食べカスやプラークがつきやすくなることで、萌出性歯肉炎のリスクが高まります。

ただし、萌出性歯肉炎は、歯が生え終わったら自然と治ってきます。

したがって、基本的には経過観察が最初の選択肢になります。

また、腫れなどの症状を繰り返す場合は局所麻酔の注射を施し、歯の上に盛り上がっている歯茎を取り除くこともあります。

思春期性歯肉炎

思春期性歯肉炎は、小学生高学年や中学生に見られる歯周病の一種です。

歯茎が腫れたり、歯磨きによる刺激で歯茎から出血したりします。

思春期性歯肉炎に関連するのは、ホルモンバランスの変化です。

特に女性ホルモンは、歯肉炎を助長するとも言われていて、思春期性歯肉炎は男子より女子の方が起こりやすい傾向にあります。

また、一般的な歯肉炎はブラッシングが不十分なことが大きな原因ですが、思春期性歯肉炎はきちんと歯を磨けていても起こることがあります。

さらに、食生活や生活習慣の変化も、思春期性歯肉炎の要因です。

こちらの歯周病を発症した場合は、成人の歯周病と同じようにプラークコントロールを中心とした治療を行います。

歯磨きができていない場合は磨き残しのあるところを染め出したり、歯ブラシだけでなくデンタルフロスなどの使い方をレクチャーしてもらったりします。

侵襲性歯周炎

侵襲性歯周炎は、子どもを含む若い方に発症する歯周病で、かつては若年性歯周炎と呼ばれていました。

一般的な歯周病が成人以降になって発病するのに対し、侵襲性歯周炎の発症は早ければ11~13歳頃と非常に早いです。

また、侵襲性歯周炎の症状には、広汎型と限局型があります。

広汎型は、上顎から下顎まで全体的に症状が現れるのに対し、限局型は前と第一大臼歯付近に症状が限定されます。

発症の原因は歯周病菌の感染であり、特に親御さんから子どもに菌がうつったときに発症することが多いです。

ちなみに、侵襲性歯周炎の治療も、普通の歯周病と同じくプラークコントロールが主体になります。

口呼吸が原因の歯肉炎

日常的に口呼吸をしている子どもは、歯肉炎を発症するリスクが高まります。

子どもの口呼吸は、“お口ポカン”という現象によって起こります。

お口ポカンは、主に舌や口周りの筋肉が弱いことによって起こり、長期間続くことで唾液の分泌量が減少します。

唾液には細菌を洗い流す作用がありますが、口呼吸によって歯茎が乾燥すると、唾液の殺菌作用や自浄作用などが低下して歯肉炎を引き起こします。

また、口呼吸が原因の歯肉炎は、お口ポカンの状態を改善しなければなかなか治りません。

代表的なお口ポカン対策としては、食事で噛み応えのあるものを食べることが挙げられます。

さらに、口と舌を大きく動かす口の体操や、風船や風車といった口を使用する遊びなどでも、口が開きっぱなしの状態は少しずつ改善されます。

まとめ

子どもはさまざまな歯周病のリスクを抱えています。

また、ブラッシングだけですべてが予防できれば良いですが、中にはブラッシングでは対処しきれないものもあります。

そのため、親御さんは幼い頃から、子どもを歯科クリニックに通わせましょう。

定期検診を受けることにより、歯や歯茎に問題があった場合でもすぐに発見できます。

もちろん、早期発見は早期治療にもつながります。

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