口内炎ができると、食事を摂る際に痛みが生じたり、うまく話せなかったりすることがあります。
症状がひどいと、何もしていなくても痛みが出ます。
また、口内炎は大人だけのものではなく、子どもの口内でも見られることがあります。
今回は、子どもが発症する口内炎の種類と原因、それぞれの特徴などを解説します。
子どもが発症する口内炎の種類6選
子どもの口内で見られる口内炎には、主に以下の種類があります。
・アフタ性口内炎
・カタル性口内炎
・ヘルペス性口内炎
・手足口病
・ヘルパンギーナ
・口腔カンジダ
各項目について詳しく説明します。
アフタ性口内炎
アフタ性口内炎は、もっとも一般的な口内炎であり、口内粘膜に小さく白い円状のただれができるものです。
白や黄色っぽい膜に覆われていることもあり、子どもの口の中でもすぐに見つけやすいのが特徴です。
また、アフタ性口内炎の主な原因は、栄養不足や寝不足といった生活習慣の乱れです。
通常は1~2週間で良くなりますが、生活習慣を改善しなければ長引くこともあります。
カタル性口内炎
カタル性口内炎は、単純性口内炎とも呼ばれるもので、物理的な刺激によって形成される口内炎です。
例えば、口の中を噛んだときや、熱いもので火傷をしたときなどに発症します。
子どもは大人と比べて活発に動くため、外傷によるカタル性口内炎のリスクが高まります。
症状としては、口内粘膜が赤く腫れたり、水ぶくれができたりします。
歯科クリニックでは、アフタ性口内炎と同じ薬が処方されることが多いです。
ヘルペス性口内炎
ヘルペス性口内炎は、単純ヘルペスウイルスへの感染によって生じる口内炎です。
唾液などの接触感染、飛沫感染によって発症します。
感染後は、潜伏期間を経て強い痛みや発熱、歯茎の腫れなどの症状が現れます。
また生後6ヶ月~3歳くらいの乳児・幼児が発症しやすく、この時期に38~40度の高熱が出た場合には、ヘルペス性口内炎を疑うべきです。
手足口病
手足口病は、夏に流行するウイルス性の感染症です。
主に5歳未満の子どもが発症するもので、エンテロウイルス、コクサッキーウイルスというウイルスへの感染が原因です。
潜伏期間は3~6日で、それ以降は口内粘膜や手のひら、足の裏・甲などに水疱性の発疹が現れます。
名前の通り、手と足、口に症状が出るのが特徴です。
水疱はカサブタにならずに治るケースが多く、1週間程度でなくなります。
一方、口内にできた水疱がつぶれた後にできる口内炎は、食事や飲み物を受け付けなくなることにもつながります。
ヘルパンギーナ
ヘルパンギーナは、手足口病と同じく夏に流行しやすい感染症で、エンテロウイルスやコクサッキーウイルスへの感染で発症します。
症状も手足口病と似ていますが、ヘルパンギーナは基本的に口内に症状が起こるものです。
高熱が3~5日続き、喉の奥の部分に口内炎がたくさんできます。
喉がとても痛く、食事が摂れないと訴える子どもは、ヘルパンギーナを発症しているおそれがあります。
口腔カンジダ
口腔カンジダは、カンジダアルビカンスという真菌(カビ)が原因で発症する感染症です。
舌や頬の内側、口蓋(口内の上部分)などの粘膜に、白いミルクのカスのようなものが付着します。
こちらの白いものは、プラークなどと違ってこすってもなかなか取れません。
また口腔カンジダは痛みを伴いませんが、無理やり除去しようとすると出血し、炎症を起こすことがあります。
子どもの口内炎を予防するには?
子どもの口内炎を予防するには、親御さんのサポートにより、以下のことを実践すべきです。
・規則正しい生活
・食習慣の改善
・正しいブラッシング
生活リズムが乱れていると、いずれの口内炎のリスクも高くなります。
親御さんは、子どもが夜遅くまで起きている場合、早く就寝させる習慣を身につけさせましょう。
また、バランスの良い食事を与え、身体の内側から健康になることも大切です。
ビタミンなどの栄養素が不足すると、口内炎が発生しやすくなります。
特に野菜が嫌いな子どもには、野菜を細かく刻んで食べさせるなど、工夫して栄養バランスの偏りを補いましょう。
野菜以外でいうと、豚肉やマグロ、牛乳やレバーなどもおすすめの食材です。
一度できた口内炎が治りかけている場合は、香辛料や酸っぱいものなどを避けるようにしましょう。
さらに、ブラッシング不足によっても、子どもの口内炎のリスクは高まります。
一度子どものブラッシングについてチェックし、磨き残しが多い場合には、親御さんが仕上げ磨きをするなどの対策が必要です。
もちろん、子ども自身に正しいブラッシングの習慣をつけさせるのも大切です。
まとめ
子どもの口内炎にはさまざまな種類があり、どれも子どもの心身にとって負担になるものです。
子どもは大人とは違い、口内炎によって発熱など別の症状が出る可能性も高いです。
また、口内炎は一度完治したとしても、何回でも発症します。
そのため、生活習慣やブラッシングの方法などを改善し、口内炎をつくらせない環境を整えなければいけません。