毎日ブラッシングの際に使用する歯磨き粉は、安全かつ十分な虫歯や歯周病予防効果が期待できるものを選ばなければいけません。
そのため「安いから」「どこでも買えるから」といった安易な理由で購入することは控えましょう。
今回は、使用しない方が良い市販の歯磨き粉の特徴について解説します。
使用すべきではない歯磨き粉の特徴7選
ドラッグストアなどで歯磨き粉を購入する際は、以下の特徴を持つ商品を避けるようにしましょう。
・研磨剤配合のもの
・粒子が粗いもの
・ラウリル硝酸ナトリウム配合のもの
・発ガン性のある成分配合のもの
・アルコール配合のもの
・香料、防腐剤配合のもの
・知覚過敏を抑制する成分が含まれないもの
各項目について詳しく説明します。
研磨剤配合のもの
歯磨き粉を選ぶ際は、研磨剤が含まれていないものを選ぶようにしましょう。
なぜなら、研磨剤は歯の表面に微細なキズを付けてしまうからです。
研磨剤は、その名の通り歯を研磨して表面の汚れを落としたり、白くしたりする成分です。
研磨をすることにより、一見歯がキレイになったように見えますが、実際は歯の表面のエナメルが擦り減って歯が弱ります。
また表面に細かいキズが付くことにより、食べカスやプラークが付着しやすくなることも考えられます。
粒子が粗いもの
粒子が粗い歯磨き粉についても、あまり使用しないことをおすすめします。
特にインプラントを埋め込んでいる方は、なるべく粒子が細かい歯磨き粉を選んでください。
粒子が粗い歯磨き粉の場合、粒がインプラントの細部に入り込み、歯茎の炎症を引き起こす可能性もあります。
また粒子が粗い歯磨き粉の多くは、前述した研磨剤を含んでいるため、歯を守るにあたって使用するのはあまり良くありません。
ラウリル硝酸ナトリウム配合のもの
歯磨き粉の成分表をチェックし、ラウリル硝酸ナトリウムと表記がある場合は、購入を控えるべきです。
ラウリル硝酸ナトリウムは、シャンプーや台所用洗剤などにも含まれる合成界面活性剤です。
発泡させることにより、歯の隅々まで歯磨き粉が行き渡るようになる他、爽快感を感じやすいという特徴もあります。
しかし発泡剤による泡立ちが強すぎると、隅々まで磨けていないにもかかわらず、満足してブラッシングをやめてしまうことがあります。
こちらは当然磨き残しや虫歯、歯周病のリスクにつながります。
発ガン性のある成分配合のもの
市販の歯磨き粉には、発ガン性のある成分が含まれた商品もあるため、選ばないように注意してください。
具体的には、保湿剤のプロピレングリコール、香味料のサッカリンナトリウムなどの成分です。
これらを継続的に摂取した場合、発ガンの危険性があることが指摘されています。
また先ほど紹介したラウリル硝酸ナトリウムも、過去に発ガン性を指摘されたことがある成分の一つです。
ちなみに酸化アルミニウムも、脳に届けばアルツハイマー型認知症のリスクが高まるため、注意が必要です。
アルコール配合のもの
歯磨き粉の中には、アルコールが含まれている商品もありますが、こちらもできれば選ばないようにしましょう。
なぜなら、アルコールには口内を乾燥させ、歯茎の保護膜を弱める作用があるからです。
口内が乾燥すると、唾液が自浄作用を発揮しなくなり、食べカスやプラークが洗い流されなくなります。
こうなると当然虫歯や歯周病のリスクは高まります。
また口内炎などがある場合、アルコールが刺激となって症状を悪化させることも考えられます。
香料、防腐剤配合のもの
成分表に香料や防腐剤などの記載がある歯磨き粉も、決して選ぶべきものではありません。
これらの成分が含まれる歯磨き粉を使用すると、口内の微生物叢が変化することがあるからです。
微生物叢は、マイクロバイオームとも呼ばれるもので、人間の健康や生命を維持するために役立っています。
また微生物叢が変化すると、健康を害したり、何らかの疾患につながったりするおそれもあります。
知覚過敏を抑制する成分が含まれないもの
毎日使用する歯磨き粉を選ぶのであれば、知覚過敏を抑制する成分が含まれないものは避けるのが無難です。
具体的には、硝酸カリウムや乳酸アルミニウム、フッ素などが含まれていないものは使わないようにしましょう。
硝酸カリウムは、歯の神経に伝わる刺激をブロックしてくれる成分です。
また乳酸アルミニウムは、象牙細管と呼ばれる歯の神経のつながる小さな穴を塞ぎます。
さらに、フッ素は歯の表面の擦り減ったエナメル質を補修する働きがあり、知覚過敏の予防効果が見込めます。
まとめ
毎日欠かさずセルフケアを行っていても、使用するアイテムにこだわらなければ、その効果は半減する可能性があります。
それどころか、知らず知らずのうちに、歯磨き粉から歯や身体にとって良くない物質を摂取していることも考えられます。
そのため歯磨き粉は適切なものを選び、歯ブラシやデンタルフロス、歯間ブラシなどについても自身に合ったものを使用することをおすすめします。