炭水化物はエネルギーのもととなる栄養素であり、脂質・タンパク質と並ぶ三大栄養素の一つに数えられます。
日々の食事において、炭水化物は主食として欠かせないものですが、残念ながらこちらは虫歯のリスクを高めることがあります。
今回は、虫歯を予防するための炭水化物の摂り方について解説します。
虫歯を予防するための炭水化物の摂取方法5選
以下の炭水化物を摂取する際には、虫歯を予防するため食べ方を工夫する必要があります。
・お米
・パン
・うどん
・パスタ
・ラーメン
各項目について詳しく説明します。
お米
お米はもっともポピュラーな炭水化物であり、日本人であれば主食として摂取する機会も非常に多くなります。
しかし、普段皆さんが食べることの多い精製された白米には、多くの糖質が含まれています。
そのため、摂取しすぎると虫歯のリスクは高くなります。
またお米の虫歯リスクを減らすには、精製されていない玄米や雑穀米、全粒粉などの穀物をあわせる方法がおすすめです。
これらは白米に比べて糖質が低く、虫歯予防効果が高いです。
さらにお米をよく噛んで食べることにより、唾液が分泌されて口内が洗い流されるため、虫歯を予防しやすくなります。
普段お米を多く食べる方の中には、あまり噛まずかき込むように食べる方も多いため、注意してください。
パン
パンも非常に糖質が高いため、お米同様食べすぎると虫歯のリスクが高まります。
特に控えるべきなのは、糖質を多く含む菓子パンやドーナツなどです。
これらは虫歯菌の大好物であるだけでなく、歯にくっつきやすいため、食べカスが残って汚れを落としにくくなります。
歯に食べカスとして残ったパンは、いずれプラークや歯石に変化し、口内で大量の虫歯菌を増殖させます。
そのため、パンを食べるのであれば、甘いものよりも惣菜系のものを選ぶようにしましょう。
もちろん惣菜系のパンであれば虫歯を発症しないというわけではありませんが、菓子パンやドーナツよりもサンドイッチなどの方が、糖の摂取量は減らすことが可能です。
うどん
うどんも人気が高い炭水化物・主食の一つですが、こちらもお米やパンと同じく、精製された炭水化物です。
そのため、摂取のしすぎは虫歯の発症につながります。
またうどんは冷たいものでも温かいものでも、味付けされたものを食べることが多いです。
そのため、味の選び方を考えることで、虫歯のリスクはある程度軽減させられます。
具体的には、シンプルなかけうどんやぶっかけうどん、ざるうどんなどがおすすめです。
逆に肉うどんやカレーうどんなどは、虫歯のリスクを高めるため避けるのが無難です。
肉うどんに乗せられている肉は、砂糖や醤油などで甘く味付けされたものが多く、口内に多くの糖分を滞在させてしまいます。
カレーうどんについても、粘度が高く口内にまとわりつくため、虫歯予防の観点からはあまりおすすめできません。
ちなみにカレーうどんは歯の着色の原因になり、審美性を低下させる原因にもなります。
パスタ
パスタは女性にも人気の炭水化物ですが、虫歯のリスクが極めて高いため、頻繁に摂取すべきではありません。
こちらは、食後のpH値が大きく下がるからです。
パスタをはじめとする炭水化物を摂取すると、口内のpH値が下がります。
pH値とは、口内の酸性・アルカリ性の度合いを表す単位であり、虫歯の密接な関係にあります。
食後にpH値が下がれば下がるほど、口内は酸性に傾いていることを表していますが、パスタは数ある炭水化物の中でもpH値の下がり幅が大きいです。
つまり、もっとも口内を酸性にし、虫歯のリスクを高める炭水化物だということです。
もちろん、炭水化物を単品で摂取する機会は少ないため、常にパスタの虫歯リスクがもっとも高いというわけではありません。
それでも、パスタが虫歯を予防するために摂取を控えるべき食べ物であることは間違いないです。
ラーメン
ラーメンも老若男女問わず人気の炭水化物ですが、当然こちらも虫歯のリスクがあります。
特にラーメン屋をはしごする方などは、虫歯を発症しやすいです。
何軒もラーメン屋をはしごする場合、1杯あたりの食べるペースが早くなりがちです。
そのため、麺を咀嚼する機会が少なくなり、口内の食べカスやプラークが洗い流されなくなります。
またラーメンは夜食として、あるいはお酒を飲んだ後の締めとして食べられる機会も多いです。
このようなシーンでラーメンを食べた後は、つい面倒になってブラッシングを怠ってしまう方も多いでしょう。
虫歯のリスクは、唾液の分泌量が減少する就寝時がもっとも高くなるため、必ずラーメンを食べた後はブラッシングをしなければいけません。
まとめ
虫歯を徹底的に予防するためには、単にブラッシングを行ったり、甘いものを控えたりするだけでは不十分です。
普段当たり前のように食べている炭水化物などの食べ物についても、なるべく虫歯につながらないような摂取方法を心掛けるべきです。
またこれらの虫歯対策とあわせて、歯科クリニックでの定期的な検診やクリーニングを受けることも大切です。