日頃ジョギングやウォーキングなどの軽めの運動、スポーツを行う方は、スポーツドリンクを飲む機会も多いかと思います。
こちらは名前の通りスポーツに適した飲み物ですが、摂取することで虫歯のリスクを高める可能性が高いです。
今回は、スポーツドリンクの概要や虫歯のリスクが高い理由などについて解説します。
スポーツドリンクの概要
スポーツドリンクは清涼飲料水の一種で、運動後の身体をケアするために飲まれるものです。
具体的には、運動中に汗として失われる水分を補給したり、運動による疲労を回復したりすることができます。
また大量の汗をかくと塩分も失われますが、スポーツドリンクではこちらも補給できますし、その他アミノ酸やビタミンなどの栄養素も豊富です。
特に1時間以上の運動や、サッカーなどの激しいスポーツを行う場合に適しています。
当然スポーツドリンクは健康上身体に悪いものではありませんが、虫歯予防の観点からは積極的に摂取すべきものではないと言えます。
スポーツドリンクの虫歯リスクが高い理由3選
スポーツドリンクを頻繁に摂取する方は、虫歯を発症するリスクが高まります。
その理由は主に以下の通りです。
・糖分が多い
・酸性度が高い
・口内が乾燥したときに飲むことが多い
各項目について詳しく説明します。
糖分が多い
意外と知られていないかもしれませんが、スポーツドリンクは糖分の含有量が非常に多いです。
糖分は虫歯菌の大好物であるため、こちらの摂取量が多ければ当然虫歯のリスクは高くなります。
具体的には、市販のスポーツドリンクには500mlあたり約30gもの砂糖が含まれ得ています。
こちらはスティックシュガーに換算すると、10本分にもなります。
ホットコーヒーなどに入れるスティックシュガーが多くても1~2本であることを考えると、いかにスポーツドリンクに砂糖が多く含まれているかがわかります。
酸性度が高い
スポーツドリンクは糖分が多いだけでなく酸性度も高い飲み物です。
こちらも虫歯につながりやすい理由の一つです。
液体がアルカリ性か酸性化を示す尺度として、pHというものがあります。
こちらは数字が低ければ低いほど酸性が強いことを意味しています。
スポーツドリンクのpH値は約3.5であり、数ある飲み物の中でも極めて酸性度が高いです。
また歯の表面にあるエナメル質が溶け出すのはpH5.5を下回ってからとされているため、スポーツドリンクを摂取し続けるとエナメル質は溶かされ続けます。
もちろん歯のエナメル質が溶かされると、虫歯を発症するリスクは高まります。
口内が乾燥したときに飲むことが多い
スポーツドリンクは、運動後の口内が乾燥したときに摂取することが多いため、虫歯につながりやすいです。
つまり、唾液の自浄作用が発揮されないときに摂取しやすいということです。
唾液には、自浄作用という口内を洗い流してくれる作用があります。
そのため、分泌されているだけで口内の汚れはある程度洗浄されています。
しかし運動後は身体から水分が失われるため、口内も乾燥しやすくなります。
このような状態でスポーツドリンクを摂取すると、口内に付着した糖分などが洗い流されず、虫歯を発症する可能性が高まります。
スポーツドリンクの虫歯対策
スポーツドリンクの摂取による虫歯リスクを減らすには、主に以下のような対策が有効です。
・一気に飲み切る
・ストローを使用する
・口内をゆすぐ
・無糖のスポーツドリンクを選ぶ
運動後にスポーツドリンクを摂取する際は、何回にも分けてこまめに飲まないようにしましょう。
水分補給の方法としては、こまめに少量ずつ摂取するのが適切ですが、虫歯予防の観点からはこのような摂取方法はおすすめできません。
少しずつ飲むということは、口内が酸性に傾く時間が長くなるということであり、その間歯のエナメル質は溶かされ続けます。
またスポーツドリンクは糖分が多く酸性度も高いことから、なるべく歯に触れないように飲むこともおすすめです。
ストローを使用して摂取すれば、喉の奥の方に直接流し込めるため、歯に触れるリスクは軽減されます。
さらにスポーツドリンクを摂取した後は、できるだけ早く口内を水ですすぎましょう。
前述の通り、スポーツドリンクを摂取するタイミングは、唾液の分泌量が減少していることが多いです。
そのため、自然に洗い流されることは期待できません。
ちなみに、スポーツドリンクの中には砂糖が一切含まれていないゼロカロリーの商品もあります。
ゼロカロリーのスポーツドリンクに含まれる糖アルコールなどは、虫歯を発症させる直接的な原因にならないため、非常におすすめです。
まとめ
スポーツドリンクの概要でも触れたように、スポーツドリンクそのものが身体に悪いというわけではありません。
むしろ運動後の水分や栄養を適切にサポートするという意味では、スポーツドリンクより秀でた飲み物はなかなかありません。
しかし虫歯のリスクが高いことは事実であるため、同時に水を飲んだり、ストローで飲んだりと、摂取する際はある程度の虫歯対策が必要です。