虫歯ができたときや、定期検診を受けさせたいときなどには、親御さんは子どもの歯科クリニックへの通院を考えます。
しかし、子どもの多くは、歯科クリニックに対して苦手なイメージを持っています。
ここからは、子どもが歯科クリニックを嫌がる主な理由について解説したいと思います。
子どもが歯科クリニックを嫌がる理由6選
子どもの中には、歯科クリニックに行くということがわかった途端、ぐずったり、泣き出したりしてしまう子も多いです。
また、このように、多くの子どもが歯科クリニックに苦手意識を持つ理由は以下の通りです。
・痛いことをされるイメージを持っている
・知らない場所に知らない人がいることの不安
・何をされるかわからないことへの不安や恐怖
・身体の自由を奪われる不安
・口内という敏感な器官を触られることの嫌悪感
・治療中の音や振動への恐怖
痛いことをされるイメージを持っている
子どもが2回目以降に歯科クリニックを嫌がるようであれば、「痛かった」という印象を1回目で持ってしまった可能性が考えられます。
現代では麻酔などの技術も進歩しており、できるだけ痛みを感じない治療が考えられています。
しかし、絶対に痛くない治療ばかりではないのが事実です。
痛さの度合いは別として、歯医者で何かしらの痛い思いをしたという印象から、嫌がるようになります。
このような子どもについては、しっかりと親御さんが治療の大事さについて教え、なおかつ優しく話してくれる医師のいる歯科クリニックを選ぶことが重要です。
知らない場所に知らない人がいることの不安
大人の方でも、初対面の人には緊張感を持ち接するかと思います。
また、大人でも人見知りをするわけですから、まだまだ人生経験が少ない子どもたちはもっと人見知りしますし、もっと緊張もします。
さらに、知らない場所、知らない人に口の中を見せて、鋭い音を出す器具が口の中に入って歯を削るわけですから、より一層不安を感じてしまいます。
そのため、初回の診察では、いきなり歯を削るのではなく、歯科クリニックの医師とお話をするだけにしてもらうことをおすすめします。
何をされるかわからないことへの不安や恐怖
子どもはとても多感で、繊細な感性を持っています。
そのため、何も知らされず初めて歯科クリニックに来た子どもは、少なからず「何かされそう」という空気を感じています。
不安や恐怖で泣いているお子さんの場合、それに対しての抵抗として泣いていることが考えられます。
こちらに対しては、実際に治療する道具や器具を見せてもらったり、触らせてもらったりする方法が効果的です。
身体の自由を奪われる不安
治療中は口を開けているので、しゃべることができません。
また、動くと器具が口の中を傷つけてしまうことが分かっているので、動くことができません。
子どもであっても、そのくらいのことは分かります。
だからこそ、余計に不安や恐怖を感じるようになります。
また、中には頭では、悪い歯を治すことを理解している子どももいます。
しかし、多くの子どもは具体的に何をされるのか分からないまま、自分の意志と関係なく「ただ受けるしかない」という状況を我慢しています。
このような不安も、治療前のお話の時間をたっぷりとってくれる歯科クリニックに通うことで、ある程度解消される可能性があります。
口内という敏感な器官を触られることの嫌悪感
口は、普段人に触られない器官です。
そのため、子どもは特に最初は不快感を抱くでしょう。
子どもに対する配慮がしっかりしている歯科クリニックでは、いきなり口の中に器具を入れるようなことはしないケースが多いです。
具体的には、お話をする、チェアに座る、横になる、口を開ける、鏡で見る、歯ブラシを入れてみる、といったように、1つずつステップアップし、少しずつ不快感を和らげていくことに努めています。
治療中の音や振動への恐怖
子どもの多くは、歯科クリニックでの治療中に聞こえる音、振動への恐怖心から、苦手意識を持っています。
大人の方であっても、このような苦手意識を持つ方は多いかと思います。
バキュームと呼ばれる吸引器は、吸引の際に比較的大きな音が出ます。
さらに、歯を切削する際に使用する器具も回転音がします。
このように、口の中に大きな音が出るものを入れるということが恐怖につながります。
また、歯を回転式の切削器具で削ると、どんなにわずかでも振動が歯に伝わります。
その他、虫歯を指で持った器具などで除去する際にも、歯が引っ掻かれるような振動を感じることがあります。
歯に受ける振動は痛みにつながりそうで、多くの子どもは怖く感じてしまいます。
まとめ
ここまで、子どもが歯科クリニックを嫌がる主な理由について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
子どもの頃、自身も歯科クリニックが苦手だったという親御さんであれば、ある程度子どもの気持ちを理解できるかと思います。
一方、歯科クリニックへの通院経験がない親御さんなどは、半ば強制的に治療を受けさせるようなこともあるかもしれませんが、こちらは絶対にNGです。