子どもを持つ親御さんであれば、誰もが自身の子について、健康な歯に育ってほしいと考えるでしょう。
しかし、子ども自身や乳歯の特徴から、子どもの歯が折れてしまうリスクは高いため、親御さんは注意しなければいけません。
ここからは、子どもの歯が欠ける主な原因や治療法などについて解説したいと思います。
子どもの歯が欠ける主な原因4選
子どもは以下のような原因により、歯が欠けたり、割れたりしてしまうことがあります。
・外傷
・虫歯
・酸蝕歯
・歯ぎしり、食いしばり
外傷
子どもの歯が欠けたり折れたりする主な原因としては、やはり外傷が挙げられます。
大人と比べて、子どもは走り回るなど活発に動き機会が多いです。
また、頭が重いことから転倒もしやすく、その拍子に歯が欠けてしまうことがあります。
ちなみに、このようなケースでは、歯だけでなく、唇や口内の粘膜にもケガを負うことが多いため、注意が必要です。
一見無傷に見える場合でも、大事を取って歯科クリニックにきちんと診てもらうことをおすすめします。
もちろん、学校などの親御さんの目が届かないところで転倒する可能性もあるため、普段から歩いたり、走り回ったりするときに注意させるよう、最低限の指導は行っておくべきです。
虫歯
子どもの歯は、虫歯が進行することによっても欠ける場合があります。
虫歯にかかると、原因菌が歯を蝕み、徐々に歯の表面を溶かしていきます。
歯の表面は、エナメル質と呼ばれる特に硬い成分で覆われ、保護されていますが、こちらのエナメル質が虫歯によって溶かされると、本来より歯が脆くなり、欠けやすい状態になります。
また、このような状態で硬いものを食べたり、睡眠中の歯ぎしりや食いしばりで強い力が加わったりすると、歯が耐え切れずに欠けてしまう可能性が高いです。
酸蝕歯
子どもの歯が欠ける原因としては、酸蝕歯(さんしょくし)も挙げられます。
こちらは、食事に含まれる酸により、歯が溶けて弱まっている状態です。
食事の習慣により、歯が酸性に傾き、エナメル質がやわらかくなると、その状態で歯ぎしりや食いしばりを行ったとき、負荷によって欠けることがあります。
また、酸性の強い食べ物だけでなく、ジュースやスポーツドリンクも歯を溶かす原因になるため、日頃スポーツをしている子どもなどは特に注意しなければいけません。
酸性の飲食物を口にした後は、すぐに水やお茶を飲んだり、うがいをしたりするように心掛けましょう。
歯ぎしり、食いしばり
歯ぎしりや食いしばりは、大人だけでなく子どもにも見られる症状です。
睡眠中の歯ぎしりや、スポーツ、勉強など集中しているときに無意識に行う食いしばりは、長時間歯に強い力がかかるため、ヒビが入ったり、次第に脆くなって欠けたりする原因になります。
特に、虫歯や酸蝕歯などの影響により、すでに歯質が脆くなっている場合は、軽度の歯ぎしりや食いしばりでも歯が欠けることが考えられます。
子どもの歯が欠けてしまった場合の治療法
前述の通り、強い衝撃を受けると、子どもの歯は欠けてしまいます。
歯の欠け方が部分的で軽度な場合は、痛みなどの症状は出にくく、神経や歯周組織への影響も少ないケースが多いです。
しかし、欠けた部分からの感染や、後で歯の変色や歯茎の腫れが生じることもあります。
そのため、緊急性はありませんが、歯科クリニックを受診し、詰め物や被せ物をした上で、しばらくは経過を見ることをおすすめします。
一方、歯が欠けて神経にまで達するような重度の場合は、炎症が起きて強い痛みや歯茎の腫れなどを引き起こすことが多いため、早めの治療が必要です。
状態によっては神経の処置を行い、最終的に歯を元の形に修復します。
もちろん、歯ぎしりや食いしばりの矯正もあわせて行います。
虫歯が原因で歯が欠けた場合の治療法
虫歯が原因で歯が弱くなり、欠けてしまった場合、虫歯はすでに神経にまで広がっている可能性があります。
そうなっている場合は、神経を取ったり、切断したりする治療を行います。
乳歯にとって、神経は永久歯への生え変わりの際、とても重要なものです。
しかし、神経まで虫歯菌が入ってしまったら、根の先に膿を溜めて永久歯を変色させたり、歯並びを悪くしたりするため、根の治療を行います。
また、神経がない乳歯については、永久歯との交換の際にうまく抜けないことがあるため、永久歯の邪魔をするようであれば抜歯で対応します。
ちなみに、虫歯が進行して根っこだけになってしまった乳歯も、可能な限り根の治療を行って残します。
根の状態にもよりますが、早く抜きすぎると下から生えてくる永久歯が出て来られないことがあります。
まとめ
ここまで、子どもの歯が欠ける主な原因、欠けた場合の治療法について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
子どもはよく転んだり、歯をぶつけたりするため、外傷によって歯が欠けるケースは多いです。
また、そもそも歯質が弱く、甘いものが好きなケースも多いことから、虫歯による歯の弱体化や破折、欠損などにつながることも十分に考えられます。