【広島の歯医者】子どもの癒合歯におけるデメリットや対処法

子どもの乳歯は、生後6ヶ月頃から生え始め、2~3歳までに上下合わせて20本が生え揃います。

また、親御さんは、誰もが自身の子の乳歯について、問題なく生えてほしいと願いますが、場合によっては問題のある“癒合歯”が生えてくることがあります。

ここからは、癒合歯の概要やデメリット、対処法について解説します。

目次

癒合歯の概要

癒合歯とは、本来1本ずつ別々に生えてくるはずの歯が、2本くっついた状態で生えてくることをいいます。

永久歯と比べ、乳歯の方が発生する可能性が高く、乳歯は100人いれば数人ほどの頻度で癒合歯が見られます。

一口に癒合歯といってもさまざまな種類があり、2本が完全に癒合し、大きな1本の歯のように見える場合や、2本の歯が通常通り並んでいるように見えて、実はつながっている場合などがあります。

また、歯の中に関しても、歯髄がつながっている場合や、歯髄は別々で外側の組織がつながっている場合などがあり、具体的にどのような状態なのかについては、歯科クリニックでレントゲン撮影を行わなければわかりません。

癒合歯のデメリット

子どもの乳歯が癒合歯になっている場合、以下のようなデメリットが発生します。

・永久歯の本数が減る
・永久歯の歯並びが悪くなる
・正常な生え変わりができない
・虫歯になりやすい

永久歯の本数が減る

乳歯に生え変わる永久歯は、先に生える乳歯の存在を確認してから、顎の中で形成されます。

そのため、2本の乳歯がくっついていると、乳歯は1本とみなされ、永久歯の芽も1本分しかつくられず、1本欠如することがあります。

ちなみに、乳歯の癒合歯によって永久歯が1本足りなくなる割合については、50%弱とする研究報告がなされています。

永久歯の歯並びが悪くなる

癒合歯の乳歯が抜けた後、永久歯が2本生えてくる場合、歯が生えるスペースが十分確保されていないために、歯がねじれたり、外側にはみ出したりするなど、歯並びに悪影響を与えることがあります。

また、生えてくる永久歯が1本の場合、今度は永久歯の数が足りないために、歯の真ん中のラインがずれたり、スペースを埋めようと他の歯が動いたりすることも考えられます。

正常な生え変わりができない

乳歯が癒合歯である場合、自然に生え変わりが起こらないことがあります。

通常、歯が生え変わる時期になると、子どもの乳歯の歯根がだんだんと体内に吸収されます。

そして、頭の部分だけになった乳歯は、グラグラと揺れて抜けることで、生え変わりが起こります。

一方、癒合歯の乳歯の歯根は、生え変わる時期の異なる2本がくっついていることから、片方の歯根が吸収されたにもかかわらず、もう片方の歯根は吸収されず残ってしまうというケースがあります。

虫歯になりやすい

子どもの癒合歯には、虫歯になりやすいというデメリットもあります。

癒合歯は、くっついている歯の境目に食べカスやプラークが溜まりやすく、虫歯を発症しやすい上に、神経にまで虫歯が及んだ場合、神経も複雑なため、治療が難しくなります。

また、歯茎にも汚れが溜まることで、歯肉炎や歯周病のリスクも高まります。

癒合歯の対処法について

まだ乳幼児の段階では、癒合歯とわかっていても、無理にレントゲンを撮ることや、治療を行うことはありません。

永久歯の生え変わりが開始する5~6歳頃にレントゲンを撮り、永久歯の有無を確認するというケースが多いです。

その後、歯の数によって起こり得る噛み合わせや歯並びのリスクを踏まえ、経過を観察していきます。

虫歯予防のケアは必要

子どもの癒合歯は、早急に根本的な治療を行うものではありませんが、虫歯のリスクが高いことから、虫歯予防のケアはある程度必要になります。

具体的には、以下のようなケアです。

・フッ素塗布、シーラント
・定期検診

フッ素塗布、シーラント

虫歯予防のために、癒合歯には定期的にフッ素を塗布します。

こちらは、歯の表面をガードする成分であり、歯のエナメル質が溶け出すのを防ぎ、皿に歯の表面を硬化させることで、虫歯に対する抵抗力を高めます。

また、同じくシーラントも、虫歯予防治療の一つです。

癒合歯は、歯の溝にプラークが溜まることで虫歯が発生するため、シーラントであらかじめ溝を塞いでしまえば、そもそもプラークは溜まらず、虫歯も予防できます。

定期検診

癒合歯は虫歯になりやすいことから、定期的に歯科クリニックで検診を受けるのも大切です。

たとえフッ素やシーラントでケアをしても、効果は一時的に過ぎません。

これらの効果を持続させるためには、定期的に歯科クリニックでメンテナンスを受ける必要があります。

また、定期検診を受けることで、癒合歯における永久歯への影響をはかり、適切な処置を受けることも可能です。

まとめ

ここまで、子どもの癒合歯におけるデメリットや対処法などについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか?

幼い自身の子の口に癒合歯を発見した親御さんは、とても心配になるかと思いますが、そこまで焦らなくても大丈夫です。

歯科クリニックに相談し、適切な処置を受ければ、大人になっても使用し続ける永久歯に大きな影響を与える心配はありません。

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