子どもの歯を虫歯や歯周病から守るには、子ども本人だけでなく、親御さんの力も必要です。
特に幼い子どもの場合、仕上げ磨きが歯のトラブルを回避するための大きなポイントになります。
今回は、子どもの仕上げ磨きに使用するタフトブラシの概要、主なメリットなどについて解説します。
タフトブラシの概要
タフトブラシは、一般的な歯ブラシでは磨きにくい部分も磨けるようにつくられた歯ブラシです。
ワンタフトブラシとも呼ばれます。
棒の先に小さな毛束がついていて、毛の形状には山型と平型があります。
山型は、歯と歯茎の境目を磨くのに適したタイプです。
口内のいずれの部分にもヘッドが当たる仕様になっていて、奥歯の溝や奥歯の裏側にも毛先が届きます。
一方、平型は歯周ポケットを磨くのに適したタイプです。
少し深くなってしまった歯周ポケットでも、毛先が奥までしっかり届きます。
子どもの仕上げ磨きにタフトブラシを使うメリット
子どもの仕上げ磨きにおいて、タフトブラシを使用するメリットは主に以下の通りです。
・デコボコの歯並びでも磨きやすい
・虫歯、歯周病が予防できる
・口臭が予防できる
各メリットについて詳しく説明します。
デコボコの歯並びでも磨きやすい
タフトブラシを使用すれば、デコボコの歯並びの子どもでも仕上げ磨きがしやすいです。
タフトブラシは毛先が小さいため、歯並びが悪い部分や奥歯でも汚れをかき出すことができます。
また、固定式の矯正治療を行っている場合など、磨き残しが出やすい子どもであっても、きちんと汚れを落とせます。
虫歯、歯周病が予防できる
タフトブラシの使用は、子どもの虫歯や歯周病予防につながります。
プラークに潜む細菌や糖質は、虫歯の原因になるだけでなく、歯周病も引き起こします。
そのため、親御さんは子どもの健康を守るためにも、タフトブラシで磨きにくい場所を集中的にケアしましょう。
口臭が予防できる
タフトブラシを使用すれば、子どもの口臭も予防できます。
口内にプラークが残ったままになると、口臭を発する原因になります。
こちらは大人に限らず、子どもにも起こり得ることです。
また、子どもは大人以上に口臭に気付かなかったり、気にしなかったりすることが多いです。
そのため、親御さんは歯や歯茎のカーブにもフィットしやすいタフトブラシを使用し、口臭を予防しなければいけません。
仕上げ磨きの際のタフトブラシの持ち方
子どもの仕上げ磨きをする際、タフトブラシはペングリップで持つのが基本です。
ペングリップは鉛筆を持つような持ち方であり、歯と歯茎の境目や奥歯を磨くのに適しています。
また、タフトブラシの持ち方には、パームグリップというものもあります。
パームグリップは、手のひらで握る持ち方であり、前歯の歯と歯の間や前歯の裏側を磨くのに向いています。
ただし、仕上げ磨き場合、あまりパームグリップはおすすめできません。
パームグリップで磨いてしまうと、必要以上に力が入り、子どもの歯や歯茎を傷付けてしまうおそれがあります。
さらに、力が強くなることでブラシの先端部分が広がり、効率良く磨けなくなることも考えられます。
もちろんペングリップよりも磨きやすかったり、力加減がきちんとできたりする場合は、パームグリップでも構いません。
タフトブラシによる仕上げ磨きの方法
タフトブラシで仕上げ磨きを行う際は、以下の点を重点的に磨きます。
・歯と歯茎の境目
・奥歯の溝
・奥歯全体
・歯と歯が重なった部分
まずは歯と歯茎の境目に沿って、優しくタフトブラシを動かします。
すべての歯の舌側、頬側の両方を磨きます。
また、奥歯には食べ物をすり潰しやすいように、溝が付いています。
この溝には食べカスが溜まりやすいため、小刻みに動かして1本ずつ丁寧に磨きましょう。
さらに、一番奥の歯は特に磨き残しが多く、虫歯になりやすいため、タフトブラシを挿入して全体的に清掃します。
ちなみに、子どもの歯並びに応じて、磨き残しが出そうな部分は適宜磨かなければいけません。
例えば、歯と歯が重なった部分については、奥に届くような角度でタフトブラシを入れ、汚れをかき出します。
タフトブラシを使用する際の注意点
子どもの仕上げ磨きでタフトブラシを使用する際は、必ず歯ブラシと併用しなければいけません。
なぜなら、タフトブラシは毛束が小さく、歯の表面などを磨くのにはあまり適していないからです。
仕上げ磨きでは、まず通常の歯ブラシ(子ども用歯ブラシ)で歯の噛む面などを磨き、磨きにくい部分のみをタフトブラシで補助的に磨くことが大切です。
タフトブラシのみの使用だと、かえって磨き残しが出やすくなったり、仕上げ磨きの時間が長くなったりします。
まとめ
タフトブラシは、子どもの仕上げ磨きをするにあたって必ず用意したいアイテムの一つです。
歯ブラシで仕上げ磨きを行っても、プラークは全体の60%程度しか除去することができません。
また、夜のブラッシングでは、特にタフトブラシを使用すべきです。
就寝時は唾液の分泌が減り、口腔細菌が発生しやすいため、磨き残しがないようにケアしてあげましょう。