【広島の歯医者】歯周病予防に効果のあるオメガ3脂肪酸とは?

歯周病は世界中に感染者が存在する病気であり、完全に発症を防ぐのは難しいです。

それでも、日々丁寧なブラッシングを行ったり、十分な栄養素を摂ったりすることにより、確実に発症のリスクは下がります。

ここからは、歯周病予防に効果のある“オメガ3脂肪酸”について解説したいと思います。

目次

オメガ3脂肪酸の概要

そもそも脂肪酸とは、結合できる手を4つ持った炭素原子が、鎖状に複数連なったものです。

一般的には、1本ずつ、他の原子である炭素や水素、酸素と結合して形をつくっていますが、炭素原子同士が2本の手で結合することもあります。

こちらを二重結合といい、鎖状に結び付いた3つ目の炭素原子に二重結合がある脂肪酸がオメガ3脂肪酸です。

オメガ3脂肪酸は、人間の体内では合成することができないため、食べ物やサプリメントなどから摂取しなければいけません。

また、こちらは必須脂肪酸とも呼ばれ、欠乏すると皮膚炎などを引き起こす可能性があります。

ちなみに、ここ数年のアメリカでは、オメガ3脂肪酸がヘルストレンドになっています。

元々欧米では、脂肪分の多い料理が好んで食べられてきましたが、近年は健康を気にするロハスなアメリカ人が増加している傾向にあります。

そんな人々に注目されているのがオメガ3脂肪酸であり、アメリカではオメガ3脂肪酸配合のサプリメントが多く販売されていて、人気の商品になっています。

オメガ3脂肪酸の効果

オメガ3脂肪酸には、HDLコレステロール(善玉コレステロール)をわずかに増加させ、中性脂肪を下げる効果があります。

また、オメガ3脂肪酸の一種であるEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)には、抗炎症作用があることが知られています。

具体的には、炎症を引き起こす細胞内情報伝達系を遮断することにより、抗炎症作用を発揮します。

ちなみに、DHAは脳や神経に密接に関係していて、不足することで異常が現れます。

軽度から中程度のアルツハイマー患者の方にオメガ3脂肪酸を24週間(1.8g/日)摂取させたところ、症状の改善が認められたという報告があるほど、脳にとっては重要な成分です。

オメガ3脂肪酸の歯周病予防効果

オメガ3脂肪酸は、細胞の修復を高める能力があり、炎症を防いだり、軽減したりするため、歯周病予防が期待できます。

また、オメガ3脂肪酸の一種であるαリノレン酸は、血液をサラサラにすることから、歯周病だけでなく脳卒中、高血圧など、他の生活習慣病も防ぐとされています。

実際、歯周病患者の方は、健康な方と比較して、血清オメガ3脂肪酸の濃度が低いことが報告されています。

ちなみに、73歳高齢者の方を対象としたオメガ3脂肪酸(DHA、EPA)の摂取量と、歯周病の発生、進行との関連についての経年調査から、DHA、EPAの摂取量が少ない方は、摂取量の多い方に比べて、歯周病の発生、進行リスクが1.5倍も高いことが示されています。

つまり、体内では合成できないオメガ3脂肪酸を、主に食事から積極的に摂取することで、歯周病のリスクを下げることができるというわけです。

オメガ3脂肪酸が多く含まれる食品

植物性食品に含まれるオメガ3脂肪酸は、αリノレン酸(ALA)というものです。

こちらは、長鎖オメガ3脂肪酸であるEPAとDHAの前駆体、つまりこれらの物質をつくり出します。

ALAは、くりみや菜種油、アマニ油、大豆などに多く含まれています。

また、魚介類に含まれるオメガ3脂肪酸は、EPAとDHAです。

ニシンやサバ、天然サケやツナに多く含まれていて、これらの食材を毎日の食事に採り入れることで、ある程度歯周病は予防できます。

オメガ3脂肪酸は、魚介類から摂取できることがよく知られていますが、前述の通り、体内に入ったALAは、一部EPAやDHAに変換されます。

そのため、魚介類だけでなく、くるまなどの植物性由来のものにも目を向けて、積極的に摂取することが大切です。

オメガ3脂肪酸を摂取する際のポイントについて

オメガ3脂肪酸は、タンパク質と一緒に摂ることにより、胆汁が分泌され、より効率的に吸収されることがわかっています。

そのため、魚介類での摂取は、サプリメントからの摂取よりも効率が良いです。

ただし、どれだけオメガ3脂肪酸が豊富だといっても、例えば魚卵などを食べすぎると、塩分やプリン体の過剰摂取につながるため、注意しなければいけません。

また、オメガ3脂肪酸には、酸化しやすいという特徴もあります。

このことから、なるべく加熱せずに摂取することが大切です。

しかし、サバなどの青魚は焼いて食べるケースが多いため、どうしても加熱しなければいけない場面が多いです。

このような場合には、酸化防止の効果があるビタミンC、ビタミンEを補助的な栄養素として摂取することで、オメガ3脂肪酸の歯周病予防効果をある程度キープできます。

まとめ

ここまで、歯周病予防に効果のあるオメガ3脂肪酸について詳しく解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

歯周病を予防するには、さまざまな栄養素を摂取しなければいけませんが、オメガ3脂肪酸はそのうちの一つです。

また、カルシウムやビタミン類、アミノ酸などの栄養素についても、できる限りサプリメントではなく、食事から摂取するように心掛けてください。

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