予防歯科の方法としては、歯科クリニックで定期検診を受けたり、プラークや歯石を除去したりといった方法があります。
またそれよりも大切なのが、自宅で行うブラッシングであり、ブラッシングに欠かせないアイテムが歯ブラシです。
今回は、予防歯科のための歯ブラシの選び方について解説します。
予防歯科のための歯ブラシ選びのポイント
自宅でのセルフケアを徹底したいのであれば、以下のポイントをチェックして歯ブラシを選ぶべきです。
・ヘッドの大きさ
・毛の硬さ
・ヘッドの形状
・毛先の形状
・毛の材質
各項目について詳しく説明します。
ヘッドの大きさ
予防歯科を徹底するのであれば、ヘッドが小さめの歯ブラシを選ぶのがおすすめです。
具体的には、縦の植毛が3列になっている、幅が小さめのものです。
ヘッドが大きすぎると、奥歯などの磨きにくい部分までしっかり届かず、磨き残しや虫歯のリスクが高まります。
特に、女性は男性より口が小さいケースが多いため、なるべく小さいものを選ぶようにしましょう。
ただし、あまりにも小さいものは、歯全体を磨くのに時間がかかります。
そのため、子ども用歯ブラシなど、明らかに小さすぎるものは使用しないようにしましょう。
毛の硬さ
予防歯科を徹底するのであれば、歯ブラシの毛の硬さは“ふつう”を選ぶべきです。
歯ブラシの毛の硬さにはやわらかめ、ふつう、かためがあります。
硬ければ硬いほどプラークは除去しやすくなりますが、毛が硬い歯ブラシは歯や歯茎の摩耗につながります。
一度摩耗した歯や歯茎は、なかなか元には戻らないため、適度な磨きやすさを持っているふつうの硬さを選ぶのが無難だと言えます。
ちなみに、毛先がやわらかい歯ブラシは歯茎に優しいため、歯周病の症状が出始めている方などはこちらを使用しても良いでしょう。
ヘッドの形状
予防歯科を意識する場合、歯ブラシのヘッドの形状はフラットタイプを選ぶべきです。
ヘッドの形状は、大きくフラットタイプと山型タイプの2種類に分かれます。
フラットタイプは、文字通り毛先がまっすぐ平らになっているもので、山型タイプはギザギザと山のようになっているものです。
フラットタイプの方が、毛先の1本1本がしっかりと歯面に当たるため、清掃性は高いと言えます。
ただし歯並びが極端に悪い方などは、歯が重なっている部分にも毛先が届くように、山型タイプを使用した方が良いです。
毛先の形状
予防歯科のために歯ブラシを選ぶのであれば、何を予防したいかによって毛先の形状を変えることをおすすめします。
具体的には、ラウンドカット毛は虫歯予防、テーパード毛は歯周病予防に適しています。
ラウンドカット毛は、1本1本が丸めの毛先になっているものです。
歯の表面に多く触れるため汚れが落ちやすく、特にラウンドカット毛のフラットタイプは虫歯予防に向いています。
一方、テーパード毛は先端に向かうにつれて、毛先が細くなっているタイプです。
毛の細さを活かし、歯と歯の間や歯周ポケットの汚れもかき出せるため、こちらは歯周病予防の際に重宝します。
毛の材質
予防歯科を意識するのであれば、歯ブラシにおける毛の材質にも注目しましょう。
しっかりと口内トラブルを予防したい場合は、飽和ポリエステル樹脂でつくられた毛先の歯ブラシがおすすめです。
市販の歯ブラシのほとんどは人工毛が使用されていますが、こちらには主にナイロンと飽和ポリエステル樹脂の2種類があります。
ナイロンはもっとも一般的な素材であり、吸水性に優れているため、毛先で雑菌が繁殖しにくいというメリットがあります。
ただし、ブラッシングの機能的にはそれほど大きな特徴はありません。
そのため、毛の材質にこだわりがない場合は、ナイロンの歯ブラシを選んでも良いでしょう。
一方、飽和ポリエステル樹脂はナイロンよりもコシが強く、しなやかさや耐久性についても優れています。
しっかりと汚れをかき出せる上に、なおかつ歯茎を傷付けにくいため、予防歯科にはピッタリだと言えます。
しかし機能性が高い分、ナイロンよりも飽和ポリエステル樹脂の歯ブラシの方が費用は高くなります。
歯ブラシはいつ交換すれば良い?
予防歯科を徹底する場合、歯ブラシの交換時期も重要なポイントです。
どれだけ優れた歯ブラシであっても、1ヶ月に1回は新しいものに交換すべきです。
1ヶ月以上同じ歯ブラシを使い続けると、毛先がボロボロになって口内を傷めたり、細菌が繁殖しやすくなったりします。
市販の歯ブラシは高くても1本数百円が主流であるため、毎月交換してもそれほど大きな負担にはならないでしょう。
まとめ
予防歯科を行うにあたってブラッシングは必要不可欠ですが、どうすれば汚れがしっかり取れるのかを考えなければ、予防歯科の効果は薄れます。
また、そのためにはブラッシングの方法を工夫するだけでなく、歯ブラシ選びも時間をかけて行う必要があります。
もちろん、定期検診で歯科クリニックを訪れた際、歯ブラシの選び方について歯科医師に相談してみるのもおすすめです。
