【広島の歯医者】歯周病と関節リウマチの関係性について

歯周病は、単体でも非常に怖い病気ですが、他のさまざまな病気との関連性があることも知られています。

特に有名なのが、相互に悪い影響を及ぼす糖尿病との関係ですが、実は“関節リウマチ”とも関係しています。

ここからは、歯周病と関節リウマチの関係性について解説したいと思います。

目次

関節リウマチの概要

関節リウマチは、関節内に存在する滑膜という組織が異常増殖することで、関節内に慢性の炎症を生じる病気です。

最初は両方の手、足の指の関節が対称的に腫れ、特に朝にこわばるようになります。

人によっては、膝関節や股関節など大きな関節にも病変が見られ、水が溜まったり、動きにくくなったりすることにより、日常生活に支障が出ます。

また、関節リウマチは、顎関節でも発症することがあります。

具体的には、顎関節の痛みや腫れ、こわばりのほか、口を開けると異音がするなど、顎関節症に近い症状が現れます。

ちなみに、関節リウマチはどの年代の方でも発症しますが、特に30~40代の女性に多く見られます。

歯周病と関節リウマチの関係性

20年以上前の話ですが、関節リウマチを発症している方は、歯周病の罹患頻度が高いことが報告されています。

はじめは、関節リウマチを患うことにより、手や指が動かしにくいことから、口内のブラッシングなどのケアがおろそかになり、歯周病を併発しやすくなると考えられていました。

しかし、現在はさまざまな研究によって多くの原因が明らかにされ、関節リウマチの治療に用いる薬による易感染性や、骨粗しょう症を併発することによる影響も考えられています。

関節リウマチの治療薬で歯周病を引き起こす仕組み

関節リウマチに使用される治療薬には、免疫を抑制する効果があります。

そのため、服用することにより、風邪などの感染症と同じく、歯周病のリスクは高まります。

また、こちらの治療薬には、口内のカンジダ菌が増加し、口腔カンジダ症が起こりやすくなったり、歯茎から出血しやすくなったりといった副作用もあります。

こちらも、関節リウマチの治療薬が歯周病を引き起こす仕組みの一つです。

関節リウマチが骨粗しょう症、歯周病につながる仕組み

関節リウマチは、関節の炎症性物質などが骨吸収を促進します。

こちらは言い換えると、骨の破壊を促すということです。

そして、関節リウマチの治療には、ステロイドなどが使用されるケースが多く、こちらを服用し続けると骨粗しょう症の原因になります。

さらに、こちらの骨粗しょう症にも歯周病の発症リスクがあります。

骨粗しょう症は、全身の骨強度が低下し、骨が脆くなって折れやすくなる病気で、日本では推定1,000万人以上が発症しているとされています。

また、骨粗しょう症の方は、歯周病にかかりやすく、重症化しやすい傾向にあります。

中でも特に関係が深いのが、閉経後骨粗しょう症と呼ばれるものです。

こちらは、閉経による卵巣機能の低下により、骨代謝に関わるホルモンのエストロゲンの分泌が減少することで発症します。

エストロゲンの分泌が少なくなると、全身の骨が脆くなると同時に、歯を支える歯槽骨も脆くなります。

その上、歯周ポケット内では、炎症を引き起こす物質がつくられ、歯周病の進行が加速すると考えられています。

シェーグレン症候群の併発による歯周病発症について

関節リウマチは、骨粗しょう症以外にも合併症が存在します。

その一つが、シェーグレン症候群です。

シェーグレン症候群は、本来自身の身体を守るために働く免疫の誤作動により、全身のさまざまな臓器に炎症が起こる膠原病の一つです。

主な症状としては、免疫が上まぶたにある涙腺や唾液腺に反応し、涙や唾液が出づらくなることで、目が乾くドライアイや、口が乾くドライマウスなどが見られます。

また、シェーグレン症候群は、関節リウマチなど他の膠原病と合併することが多く、シェーグレン症候群の約半数が他の膠原病も伴っています。

特に、関節リウマチとの合併は非常に多く、リウマチの患者さんの約20%は、シェーグレン症候群を発症すると言われています。

先ほども触れたように、シェーグレン症候群は唾液の量を減少させることがあるため、関節リウマチからこちらを発症した場合も、必然的に歯周病のリスクは高くなります。

関節リウマチの予防法

関節リウマチの原因はいまだに不明であるため、発症を完全に予防するのは難しいです。

ただし、発症を早期に発見し、適切な治療を行えば、症状が進むのを遅らせることができます。

また、近年は喫煙が関節リウマチの発症と関連することが明らかになってきました。

そのため、禁煙は健康状態の維持だけでなく、関節リウマチの発症、歯周病の発症抑制の観点からも、重要と考えられています。

まとめ

ここまで、歯周病と関節リウマチの関係性について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

あまり関係のないように見えるこれらの症状ですが、実際はさまざまなところでつながっています。

また、関節リウマチには合併症も非常に多く、これらの中にも歯周病のリスクを高める病気が多く存在するため、注意しなければいけません。

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