虫歯予防は、年齢や性別、国籍などに関係なく毎日行わなければいけないものです。
基本的に、休んでも良い日はありません。
しかし、虫歯予防と関連の深い食事については、国によって大きく特徴が異なります。
今回は、虫歯になりやすい食文化を持つ国とその特徴について解説します。
虫歯になりやすい食文化を持つ国とその特徴4選
以下の国は、比較的虫歯リスクが高い食文化を持っています。
・フィリピン
・インド
・イギリス
・ベトナム
各国の食文化の特徴について説明します。
フィリピン
フィリピンの食文化において「甘み」は欠かせない要素であり、それが虫歯リスクを著しく高めています。
フィリピン料理の最大の特徴は、おかずが甘いことです。
例えばフィリピン風スパゲッティは、バナナケチャップや砂糖を大量に使用した非常に甘いソースが特徴です。
また肉料理の“アドボ”やバーベキューのタレにも、大量の砂糖や練乳が使われます。
このように、主食やメインディッシュに糖分が組み込まれているため、食事を通じて常に糖を摂取する構造になっています。
デザートに至っては、さらに極端な甘さが好まれます。
代表的な“ハロハロ”は、かき氷に甘く煮た豆やゼリー、フルーツやプリンを乗せ、仕上げにたっぷりの練乳を注いだものです。
さらにフィリピン人は“スナック(メリエンダ)”の習慣を大切にしていて、午前と午後にそれぞれ甘いパンやケーキ、揚げ菓子などを口にします。
この食事+1日2回の間食という回数の多さが、歯の再石灰化を妨げる最大の要因です。
子どもの頃からこうした極端に甘い味付けに慣れ親しむことが、若年層からの深刻な虫歯問題を引き起こす背景となっています。
インド
インドは世界でも有数の砂糖生産・消費国であり、その食文化には“ミタイ”と呼ばれる多種多様な伝統菓子が深く根付いています。
中でも“グラブ・ジャムン”は、脱脂粉乳で作ったドーナツを濃厚な砂糖シロップに浸したもので、“世界一甘いお菓子”と称されることもあります。
これらのミタイは、結婚式や祭事だけでなく日常的にも親しまれていて、砂糖の含有量は他の国のスイーツを圧倒しています。
さらにインドのスイーツはミルクやバターをベースにしているため、粘り気が強く、歯の表面や隙間にべったりと張り付く性質があります。
これが長時間除去されないことで、重度の虫歯や歯周病を誘発します。
その他、インドの日常に欠かせない“チャイ”も虫歯リスクの主要因です。
インドのチャイは、茶葉をミルクと大量の砂糖とともに煮出すのが一般的で、その甘さはまるでキャラメルのようです。
1日に何度もチャイを飲む習慣は、口内を絶え間なく砂糖漬けの状態にしていると言っても過言ではありません。
イギリス
イギリスには、世界的に有名な“アフタヌーンティー”という優雅な文化がありますが、これは歯科保健の観点からは非常にリスクの高い習慣です。
午後のひとときに楽しまれるスコーンやケーキ、サンドイッチやビスケットには、精製された砂糖と小麦粉がふんだんに使われています。
特にスコーンに添えられるストロベリージャムや、濃厚なクロテッドクリームは、その粘り気によって歯の表面に長時間留まります。
またイギリス人は紅茶を非常に好みますが、1日に何度も飲む紅茶に砂糖を数杯ずつ入れる習慣が根強く、そのたびに口内環境が酸性に傾きます。
さらにイギリスの伝統的な駄菓子である“トフィー”や“ファッジ”は、砂糖とバターを煮詰めた非常に硬く、かつ粘り気の強いものです。
これらは噛むたびに奥歯の深い溝に押し込まれ、ブラッシングでも簡単には除去できません。
こうした粘着性のある甘いものを日常的に摂取することは、虫歯菌に絶え間なく栄養を与えているのと同じです。
その他、イギリスの国民食である“フィッシュ&チップス”には、たっぷりのモルトビネガーをかけるのが一般的です。
この強い酸でやわらかくなった歯に、ポテトのデンプン質がこびりつくという複合的な悪循環が、イギリスの食卓では日常的に繰り返されています。
ベトナム
ベトナムの食習慣において、歯科医師がもっとも懸念するのが“ベトナムコーヒー”のスタイルです。
ベトナムコーヒーは、深煎りの強い苦みを持つコーヒー豆に対し、カップの底に数cmも溜まるほどの練乳を加えて飲むのが一般的です。
練乳は砂糖の含有量が非常に高く、かつ粘りがあるため、コーヒーを飲み終わった後も歯の表面や隙間に糖分が強力に付着し続けます。
またベトナムではカフェで長時間お喋りを楽しむ文化があり、その間中、少しずつこの甘いコーヒーを口にすることは、歯を休ませることなく酸にさらし続けることになります。
さらに、ベトナムの伝統的なデザート“チェー”も虫歯のリスクを高めます。
チェーは甘く煮た豆、タピオカ、ゼリー、ココナッツミルクなどを組み合わせたスイーツで、冷たいものから温かいものまで種類が豊富です。
これらに含まれるタピオカや煮豆は、噛み応えがあり歯に詰まりやすいため、食後のケアが不十分だとすぐに細菌の餌食となります。
その他ベトナム料理の基本調味料である“ヌクマム(魚醤)”に砂糖や唐辛子、ライムを混ぜたタレも、食事全体を甘くし、口内を酸性化させます。
一見ヘルシーな生春巻きやフォーも、こうした甘いタレやスープと一緒に摂取することで、無意識のうちに多量の糖分を口内に留めてしまう構造になっています。
まとめ
海外諸国には、虫歯リスクの高い食事やスイーツ、飲料などを好んで飲む国が多く存在します。
そのため、これらの地域に住む日本人の方などは、より強く虫歯予防を意識しなければいけません。
またさまざまな国の食文化が入り混じっている日本も、虫歯リスクは比較的高いと言えます。
ブラッシングを行うのはもちろんのこと、虫歯になりやすい食事をなるべく避けつつ生活することが大切です。

